2023年4月号|特集 大滝詠一 2023
【Part2】『NIAGARA CALENDAR』〜『LET'S ONDO AGAIN』の時代|大滝詠一ノヴェルティ/コミック・ソング・ストーリー
解説
2023.4.11
文/小川真一
(【Part1】からの続き)
パロディーのような、パスティーシュのような作品集でありながらも、名曲が忍ばせてあるというのが’77年の『NIAGARA CALENDAR』
いよいよ本領発揮、本命作登場、何しろアルバムの構造そのものがノヴェルティ。それが'77年12月25日に発売された『NIAGARA CALENDAR』だ。1年を月ごとにテーマを設定し、カレンダー形式でアルバムを作る。アイデアを考えついたとしても、それを実行に移すのは大変な作業だったと思う。
まず先に、なぜカレンダーだったのかを考えてみたい。それぞれの月の行事を歌詞に歌い込んだ曲といえば、ニール・セダカ作の「カレンダー・ガール」が頭に浮かぶ。セダカが作曲しハワード・グリーンフィールドが作詞したこの曲は「毎月いろいろなことがあるけれど、結局のところ君を愛している」と歌われるスイートなラヴ・ソング。日本でもダニー飯田とパラダイス・キングに在籍していた時代の坂本九が、この曲を日本語で歌っていた。
ジュリー・ロンドンは'56年に『Calendar Girl』というアルバムをリリースしている。この作品は、1年のそれぞれの月に、それぞれの月にちなんだ曲を振り分けたもの。例えば、4月はジャズのスタンダードとしてもお馴染みの「アイル・リメンバー・エイプリル」を、6月はホーギー・カーマイケルの名曲「メンフィス・イン・ジューン」を配するといった具合。
発想の元は、このジュリー・ロンドンから来ているとしても、ジュリーの場合は曲を選んで当てはめていっただけ。大滝詠一の『NIAGARA CALENDAR』は、自身でそれぞれの曲を作っていかなければならない。まさに、言うは易く行うは難し。アイデアが浮かんだのは、’75年に『NIAGARA MOON』を完成させた日だという。まずは、'77年10月2日に、野球開幕ソングの「Baseball-Crazy」(四月編)からレコーディングが始まった。
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