2023年3月号|特集 シティポップ・ストーリー

第1回:惣領智子『City Lights by the Moonlight』|伊波真人のシティポップ短歌・特別編

コラム

2023.3.1

惣領智子 /City Lights by the Moonlight1977年



かつて海外でも活動し、ポール・マッカートニーから楽曲を提供されたというポップ・グループのブラウン・ライス。ブレイクすることなく解散するが、そのメンバーであり、ソロ・シンガーとしてデビューを果たした惣領智子の2作目のオリジナル・アルバム。当時のパートナーでもあった惣領泰則がサウンド・プロデュースを手掛け、カッティング・ギターやエレクトリック・ピアノをふんだんに使ったきらびやかなアレンジが魅力。清涼感を持ちつつも大人っぽい雰囲気のヴォーカルも聴き応えがあり、特にボサノヴァのリズムを取り入れたアルバム・タイトル曲のメロウでアーバンな感覚には誰しも酔いしれるはずだ。

ブラインド越しに朝日が覗いても きみがいないと夜明けは来ないブラインド越しに朝日が覗いても きみがいないと夜明けは来ない



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。「otonano」で“伊波真人のシティポップ短歌”を連載中。