連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「佐野元春 / SOMEDAY」

2023.2.15

今月のお題

佐野元春 /SOMEDAY1982年


1980年に颯爽とデビューした日本随一のロックンローラーが、大滝詠一、杉真理との『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』への参加と並行して制作していた初期の金字塔。ウォール・オブ・サウンドの影響を感じさせるエヴァ―グリーンな名曲「SOMEDAY」や、終盤を演出する大作「Rock & Roll Night」の素晴らしさは言うまでもないが、他にも、ポップな「Sugartime」や、キレのいい「Happy Man」など定番曲もしっかりと収録。シティポップ的な観点で再評価するならば、「二人のバースデイ」や「I’m in blue」といった洒落たナンバーも聴き逃がせない。

夜(よ)を越えて踊りあかしてた身体が 路上に蒼い影を伸ばして夜(よ)を越えて踊りあかしてた身体が 路上に蒼い影を伸ばして



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。