連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「伊藤銀次 / WINTER WONDERLAND」

2022.12.16

今月のお題

伊藤銀次 /WINTER WONDERLAND1983年


‘82年の名盤『BABY BLUE』を皮切りに、年2枚というハイペースで制作していたポリスター期の企画盤。ラジオ番組風に始まるゴキゲンな「パーティー・トーク」から、王道のクリスマスソング「フェアウェル・ブルー・クリスマス」で締めるまで、多様な音楽性を網羅したポップなウィンターソングが、目一杯詰め込まれている。大貫妙子がコーラス参加したメロウナンバーの「Skylightにポプラの枯葉」や、ゴンチチのギターが流麗に響く「僕と彼女のショート・ストーリー」なども要チェック。日比野克彦が手掛けたアートワークもユニークで、パーティーアルバムとして楽しみたい。

波に乗るようゲレンデを滑りゆく 終わらぬ夏を生きていたくて波に乗るようゲレンデを滑りゆく 終わらぬ夏を生きていたくて



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。