連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「EPO / DOWN TOWN」

2022.10.14

今月のお題

EPO /DOWN TOWN1980年


「う、ふ、ふ、ふ、」のヒットでも知られるシンガーソングライター、EPOの記念すべきデビュー・アルバム。大貫妙子、竹内まりやに続くRCAレーベル期待の女性アーティストとして登場した。タイトル曲はシュガー・ベイブの代表曲をカヴァーしており、フジテレビ系のバラエティ番組『オレたちひょうきん族』のエンディングテーマで使用されたことでもおなじみ。また、ペトゥラ・クラーク「恋のダウンタウン」のカヴァーと絶妙にリンクしたアルバム構成も見事だ。林哲司と清水信之が中心になったゴージャスなアレンジをバックに、ストーリーテラー、メロディメイカーとしてのEPOの才能が早くも開花した傑作。

洗車機で雨滴の跡を流すよう 悲しい曲で感傷を埋め洗車機で雨滴の跡を流すよう 悲しい曲で感傷を埋め



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。