2022年8月号|特集 郷ひろみと音楽

【Part4】<洋楽カヴァー>~ユニークな言語感覚を含んだ咀嚼力~|アーティスト・郷ひろみを紐解く5つのキーワード~

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コラム

2022.8.25

文/内本順一


群を抜く量と質。いくつもの洋楽カヴァーは、
カヴァーの概念を超越して「郷ひろみの歌」になった。


70年代・80年代は洋楽カヴァーが日本のヒットチャートを賑わすことが当たり前にあった。キリがないので例は挙げずにおくが、欧米でヒット中の曲に独自の日本語詞をつけ、歌謡的な新解釈でカヴァーする。様々な歌手がそれをやっていた。なかでも、郷ひろみは特別だ。洋楽カヴァーの曲数が極めて多い。シングルでリリースしたものも多く、その大半がヒットしている。そしてそれらはどれも完全に「郷ひろみの歌」になっている。オリジナル曲同様、郷ひろみのシグネチャーがある。量と質、その両方で群を抜いている。