2022年8月号|特集 郷ひろみと音楽

【Part3】<シティポップ>~AORサウンドに接近した瞬間~|アーティスト・郷ひろみを紐解く5つのキーワード~

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コラム

2022.8.18

文/柴崎祐二


ライトメロウな郷ひろみを語る際の最重要人物は萩田光雄。
そして『SUPER DRIVE』と『MAGIC』こそシティポップ名盤。


 天才的なパフォーマンスを磨き上げてきた一方、折々の音楽トレンドも貪欲に取り入れながらアーティスト活動を続けてきた郷ひろみ。その長いキャリアの中で発表してきた作品には、昨今巷で幅広いリスナーから人気を博している<シティポップ>に通じるものも少なくない。当然ながら、<シティポップ>および<シティポップス>という語が一部メディアを賑わせていたその当時、郷ひろみの音楽が明確にそう名指されて受容されていたわけではない。しかしここ20年ほどで、多くのDJやレコードマニアたちが、その鋭い審美眼によって、彼の作品を「メロウ」や「グルーヴィー」といった視点から再発掘する流れが盛り上がってきた。中には、今では「シティポップ名盤」として定番化し、レコード市場で高い人気を誇る作品もある。
 改めて、膨大なディスコグラフィーの中から、シティポップ的な視点で楽しめる作品をピックアップして紹介する。