連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「郷ひろみ / SUPER DRIVE」

2022.8.15

今月のお題

郷ひろみ /SUPER DRIVE1979年


デビューから7年経ち、アイドルとしてだけでなくシンガーの風格が生まれてきた頃に、初の海外録音を敢行した記念碑的な作品。全曲のアレンジは萩田光雄だが、当時非常に人気の高かった名うてのセッション・ミュージシャン集団である24丁目バンド(ハイラム・ブロック、クリフォード・カーター、ウィル・リー、スティーヴ・ジョーダン)が全面バックアップし、ニューヨークでレコーディング。洗練されたサウンドで個性的なヴォーカルを際立たせた。近年はシティポップ文脈で評価されることも多く、特に林哲司が作曲した「入江にて」は名曲の誉れ高い。なお、アートワークは横尾忠則によるもの。

あたらしい日の訪れを告げる陽が 恋のはじめの光を灯すあたらしい日の訪れを告げる陽が 恋のはじめの光を灯す



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。