2022年5月号|特集 アルファに、胸キュン。
【Part5】私の好きなアルファ ~ 近田春夫 第1回:GSとフィフィ・ザ・フリー
インタビュー
2022.5.19
インタビュー・文/大谷隆之 写真/島田香
洋楽を換骨奪胎した日本語ポップスのパイオニア
YMOとの共演やニューウェイヴ勢との接点はあったとはいえ、それほど深い関わりを持つことなくアルファミュージックと並走していたという近田春夫さん。歌謡曲やGSに造詣が深い近田さんから見たアルファのアーティストや楽曲を、独特の語り口で分析してもらった。
──近田さんが最初に「アルファミュージック」を意識したのはいつ頃ですか?
近田春夫 僕はね、やっぱり村井邦彦さんなんですよ。それもレコード会社の創業者じゃなくて、作・編曲家としての村井さん。初めて名前を覚えたのは、当時僕が入れ込んでいたグループ・サウンズ(GS)。ザ・モップスの「朝まで待てない」ですね。
近田春夫(ちかだ・はるお)
●慶應義塾大学在学中から、内田裕也のバックバンドでキーボード奏者として活躍。’72年に「近田春夫&ハルヲフォン」を結成。音楽活動と並行して、’78年から’84年にかけて、雑誌「POPEYE」に伝説的なコラム「THE 歌謡曲」を連載。’78年には早すぎた歌謡曲カヴァー・アルバム『電撃的東京』をリリース。’79年には、アレンジ・演奏に結成直後のイエロー・マジック・オーケストラを起用したソロ・アルバム『天然の美』をリリース。「エレクトリック・ラブ・ストーリー」、「ああ、レディハリケーン」では漫画家の楳図かずおを作詞家として起用。’81年には「近田春夫&ビブラトーンズ」を結成、アルバム1枚とミニアルバム1枚をリリース。’85年からはファンクやラップに注目、President BPM名義で活動。自身のレーベルBPMを率いて、タイニー・パンクスらと日本語ラップのパイオニアとも言える活動を行う。’87年には「バンド形式によるヒップホップ」というコンセプトでビブラストーンを結成。現在は元ハルヲフォンのメンバー3人による新バンド「活躍中」や、OMBとのユニットである「LUNASUN」でも活動。そして、’18年10月31日にソロ名義としては38年ぶりとなるアルバム『超冗談だから』をリリース。文筆家としても、20年以上に渡り連載中の「週刊文春」名物コラム「考えるヒット」だけでなく、’19年1月からは「ミュージックマガジン」誌で「近田春夫の帯に短し襷に長し」を連載開始。’19年2月27日には最新ベスト・アルバム『近田春夫ベスト~世界で一番いけない男』をリリース。-
【Part6】私の好きなアルファ ~ 近田春夫 第2回:ガロとフォークの違い
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