連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「吉田美奈子 / TWILIGHT ZONE」

2022.5.13

今月のお題

吉田美奈子 /TWILIGHT ZONE1977年

1973年に細野晴臣プロデュースのアルバム『扉の冬』でデビューした吉田美奈子が、シンガーとしてだけでなくソングライターとしても本領を発揮した傑作アルバム。全曲彼女自身のオリジナル曲で固め、山下達郎との共同プロデュースにより作り上げたRCAレーベル時代最後の作品でもある。ソウルやゴスペルといったブラックミュージックの影響を前面に押し出すと同時に、独自の感性で都市の風景を切り取った歌詞も印象的だ。「駆けてきたたそがれ」や「Uptown」など人気曲が揃うが、なかでも「恋は流星」はジャパニーズ・レアグルーヴの名曲としてDJからの評価も高い。

カラフルなネオンにさえもない色を 日暮れに染まる空に見つけたカラフルなネオンにさえもない色を 日暮れに染まる空に見つけた



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。