連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「大滝詠一 / A LONG VACATION」

2022.4.15

今月のお題

大滝詠一 /A LONG VACATION1981年

ジャパニーズポップス界の巨人・大滝詠一が、はっぴいえんど時代の盟友でもある作詞家・松本隆とタッグを組んで作り上げたリゾートポップの代名詞。シングルヒットした「君は天然色」を始め「カナリア諸島にて」「恋するカレン」「さらばシベリア鉄道」といった代表曲を収録。フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドにヒントを得た、ナイアガラ・サウンドの完成形であり、永井博が描いたイラストも含め、大滝詠一の名前をお茶の間にまで知らしめることになった。ミリオンヒットを記録したこともあり、日本のポップス史における金字塔として高く評価されている。

君の影だけがゆれてた 秒針も睡ったような夏の透き間で君の影だけがゆれてた 秒針も睡ったような夏の透き間で



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。