ラジオ|アーカイヴ配信|伊藤銀次のPOP FILE RETURNS

第109回「大澤誉志幸」特集その2 ~銀次、佐野、ジュリーと4人で編~
ゲスト:大澤誉志幸

会員限定

2015.6.5




放送後記 from 能地祐子
 先週に引き続き、現在“渡り鳥ツアー”まっただ中の大澤誉志幸さんをゲストにお迎えしてお届けします。来年でプロ・デビュー35年を迎える大澤さんですが、そのキャリアの始まりを考えると“いつも銀次さんが横にいた”とか……?? 今回は、そんなおふたりの接点をめぐる不思議なご縁についてのお話から始まりました。沢田研二さんや山下久美子さんのお名前が出てくるところまでは想定内でしたが、まさか、ここでまたまた佐野さんのお名前が出てくるとは! 以前、佐野さんがゲストに来てくださった時に、人と人を結びつける銀次さんは“ハブ”の存在だとおっしゃっていましたが。まさに!
 そして話題は、さらにさかのぼって大澤さんのデビュー前ヒストリーへ。もともとはギタリスト志望で、ジム・メッシーナなどアメリカ西海岸シンガー・ソングライターものに傾倒していたというお話に、ジム・メッシーナを師と仰ぐ銀次さんがビックリ。収録後、さっそく「今度ふたりでジム・メッシーナやろうよ」と誘っていました。西海岸ものから、黒人音楽にめざめ、サザンソウルが好きになり……という大澤さんの音楽遍歴は、おそらく同時代を過ごした音楽ファンならニンマリしてしまう王道オタク道(笑)。大澤さんの作品が長く愛され続けている秘密を解く鍵は、こんなところにも隠れているのではないでしょうか。今回おかけした「フランス海岸」も、もともとはヴァン・ダイク・パークスのような感じをやりたかったというお話をうかがって「なるほどーーー!」とヒザを叩いた私でした。この収録があった後、80、90年代の大澤さんのアルバムをちょっとずつ聴き返しているのですが。ひとつの曲の中から、さまざまなジャンルの音楽がじわじわと染み出てくるんですよね。だから発売当時に好きだった曲でも、オトナになった今あらためて聴くとまた違った印象で響いてきたり。と、新鮮な発見いっぱいで楽しいです。


 そして今週もスペシャルなライブをお届けします。先週は大澤さんがソロで「その気×××」を歌ってくださいましたが、今週は銀次さんも登場! なんと、本当に意外な事実なので私もビックリ仰天だったんですが、おふたりでセッションするのは今回この番組が初めてなのだそうです。「いつも近くにはいたんだけど、意外と、ね?」と顔を見合わせるお二人ですが。初セッションとは思えぬ意気投合ぶりと、初セッションならではの緊張感が心地よい素晴らしい演奏を聴かせてくださいます。曲は、今ではスタンダード・ソングとして多くの方々にもカヴァーされている「そして僕は途方に暮れる」。この曲の誕生にまつわる貴重なお話も、たいへん興味深かったです。音楽ってやっぱり、“生命”を授かって世に出てきて、成長して、時には家族に反抗してみたりもするけど(?)、最後は苦労して生んでくれた親に孝行をするのかもしれないなぁ。なぁんて、大澤さんと銀次さんのお話を伺いながらロマンチックな妄想を巡らせてしまいました。


《銀次のオススメ》は、以前このコーナーの第一回目でご紹介した佐藤博さんの、80年代に発売された7、8,9作目一挙復刻の話題を。最近、他にも2作復刻されています。ちょっとしたブームの様相。「早すぎた××」という表現は、あまり良い賛辞ではないのかもしれませんが。それでもやっぱり、佐藤さんの80、90年代の作品は、21世紀になった今のほうがよりポップにまっすぐに受け入れられているような気がします。時代の先を見据えた佐藤さんの高い音楽性に対する再評価の波が来ているというのはとても嬉しいです。


 番組では、皆さまからのメッセージをお待ちしております。ご意見、お聞きになってのご感想、こんなゲストを呼んでほしいというリクエストなどなど、何でもけっこうです。よろしくお願いします。みなさまの声が銀次さん、スタッフ一同の励みになります! このページのメッセージフォームからお送りいただけると幸いです。次回は、みなさまと銀次さんの(笑)熱いリクエストにお応えして大貫妙子さんが二度目のゲストとして来てくださいます。もぉぉぉ、楽しみです。今回はいったいどんな話題で盛り上がるのでしょうか。いやぁぁ、もう、私も今からドキドキです。ご期待ください!



●次回予告
2015年6月12日更新予定
第110回「Tint/大貫妙子」特集その1
~坂本龍一さんもベタ褒め編~
ゲスト:大貫妙子



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出演者プロフィール

伊藤銀次

伊藤銀次(いとう ぎんじ)

●1950年12月24日、大阪府生まれ。'72年にバンド“ごまのはえ”でデビュー。その後ココナツバンクを経て、シュガー・ベイブの'75年の名盤 『SONGS』(「DOWN TOWN」は山下達郎との共作)や,大瀧詠一&山下達郎との『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』('76年)など,歴史的なセッションに参加。'77年『DEADLY DRIVE』でソロ・デビュー。以後、『BABY BLUE』を含む10数枚のオリジナル・アルバムを発表しつつ、佐野元春、沢田研二、アン・ルイス、ウルフルズなど数々のアーティストをプロデュース。『笑っていいとも』のテーマ曲「ウクウキWATCHING」の作曲、『イカ天』審査員など、多方面で活躍。
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RIO

RIO(リオ)

●1974年三重県津市生まれ。
アートが好きな父親の影響を受け、3歳から地元の作家 大浦峰郎氏 のもとで水彩画や工作、油彩を学び、次第に画家を志すようになる。
1989 年、本格的に絵画を学ぶ為、中学卒業後単身渡米、アメリカの芸術高校、芸術大学を経て1995年帰国。
1998年 趣味で友人たちと組んたバンドで歌っていたところを、吉本興業が運営していたコミュニティーラジオ「YES-fm」のプロデューサーに「歌は全然イケてないけど、歌と歌の間のMCが最高におもろいし、声がいい!」とスカウトされ、突如ラジオDJ としてデビューする。
1999年~2000年 大阪のFM802でミュージシャンの番組アシスタントを経験後、FM大阪でレギュラー番組、名古屋のZIP-FMのオーディションで優勝しレギュラー番組を獲得など、音楽好きがこうじてデビュー直後から次々と番組が決まる。
その後、大阪を中心にFM大阪、FM802(大阪)、ZIP-FM(名古屋)、東京FM系列全国ネットなどで15年以上にわたりレギュラー番組を担当、テレビ番組出演や、イベントMC、CM・番組ナレーションなど仕事の幅は広がり、多忙を極める。
タレントとしての仕事がどんどん増える一方、忙しくて満足に筆を持つことすらできない状況に悩み続ける。
そして2014年、画家としての活動に専念するため、関西の主要レギュラー番組を全て辞め、FM大阪の30分間の収録番組だけを持って上京。
その後インターナショナルアートフェスティバルファイナリストとしてニューヨークで作品が展示されるなど、鮮やかな色遣いと、優美で繊細な線、独特な感性から生み出される作品は国内外で高く評価される。
また、一度は手放してしまった声の仕事も、依頼が後をたたず、東京のラジオ局でのDJの他、海外のラグジュアリーコスメブランドのCMナレーションや、国内を代表するアーティストのPVナレーションを担当するなど精力的に活動。
現在は東京で画家RIO UMEZAWAとして国内外で活躍しながら、ラジオDJやイベントMC、ナレーションの仕事も続け、コミュニケーション・話し方講師、アートセラピストとしても活動を続けている。
▶オフィシャルサイト

アーカイブ配信 パーソナリティ紹介

土橋一夫(どばし かずお)

●テイチク等を経て(有)シャイグランス代表となり『Groovin'』を創刊、また"Surf's Up Design"を設立しアート・ディレクターとしてジャケットや書籍等を多数手掛ける。ディレクターとしては杉真理、村田和人、玉城ちはる等の新作、細野晴臣、伊藤銀次、杉真理、須藤薫、村田和人、フィル・スペクター関連やA&M等の再発を担当。著書に『ジャケガイノススメ』、編・監修書に『ザ・ビーチ・ボーイズ・ダイアリー』等がある。K-MIX「ようこそ夢街名曲堂へ!」のパーソナリティ/構成を担当中。FLY HIGH RECORDS主宰。

能地祐子(のうじ ゆうこ)

●東京生まれ。大学時代から音楽ライターの仕事を始め、現在に至る。音楽誌を中心に、ロックからJ-POP、アイドル歌謡までジャンル問わず評論、紹介記事を執筆中。音楽以外の趣味は、野球観戦。