ラジオ|アーカイヴ配信|伊藤銀次のPOP FILE RETURNS

第107回「エルヴィス・プレスリー」特集その2~銀次さんがギターの師匠でした編~
ゲスト:音楽評論家 萩原健太さん

会員限定

2015.5.22




放送後記 from 能地祐子
 先週に引き続き、萩原健太さんをゲストにお迎えして……いや、こういう時は何と言うのでしょう、萩原健太を迎えて……のほうがいいのかな?(笑) まぁ、とにかく、引き続き、萩原さんが選曲・監修・解説を手がけた生誕80周年を迎えたエルヴィス・プレスリーの10枚組全270曲の通販限定決定版豪華ボックスをサカナに、今週もにぎやかにお届けいたします。今回は“ギター・サウンドから読み解くエルヴィス”、この番組ならではのちょっと面白い切り口からエルヴィス・プレスリーの魅力をご紹介します。


 エルヴィス・サウンドにはなくてはならない名セッションマンであり、萩原さんがもっともリスペクトするギタリストのひとりでもあるジェームズ・バートン。実は、萩原さんにはじめてバートン奏法を教えてくれたのが、銀次さんなんですね。でも、直接レッスンを受けたわけではないんです。萩原さんは大学生の頃、銀次さんが何冊も出していた70年代ロック・ギタリストたちの教則本でギターを勉強していたとか! だから、間接的ですが“師匠”なのです。バートンやライ・クーダーなど、まだ日本では知る人ぞ知る存在だったギタリストたちの奏法をご自分の耳だけを頼りに独学で解明したという銀次さんの教則本は、まさに日本ロック史の『解体新書』(またはファミコンの攻略本)。萩原さんが、銀次さんの教則本がわかりやすかったのは秀才型ギタリストならではの教え方だったからだと思う……と言えば、銀次さんが「僕は日本ロック界の牧野コーチだから」。このやりとりは「なるほどー」と感心しつつ、あまりに絶妙なたとえに笑ってしまいました。


 エルヴィスの話題から、大学時代に萩原さんがFMで聴いたシュガーベイブ時代のライヴの話題、そして萩原さんと銀次さんが共に参加していた『イカ天』時代のお話まで。話はどんどん広がりつつ、とっても濃いーー音楽談義となりました。もう20年以上前のことで、『イカ天』という番組をご存じないリスナーの方もおられるかもしれませんが、本当に凄いブームだったんです。当時のことを「褒める時は褒めるけど、日本のバンドはこうあってほしいという気持ちをこめて厳しいことも言ったし。でも1年間、本当に真剣に審査したよね」と振り返る萩原さんと銀次さん。銀次さんは最近の若手ミュージシャンについても、期待と共に「もっと尖ってほしい、もっと生意気でいいんだよ」というとをいつもおっしゃっていますが。その愛ある視点はずっと変わらず、ブレてないんですね!


 《銀次のオススメ》では、オーダーメイド・ファクトリーにエントリー中の高木ブーさんのベスト・アルバム企画をご紹介しました! なんと、ブーさんってエルヴィスより年上なんですね(驚)。そんなブーさんが自ら企画した、生涯初のベスト・アルバム。これからの季節にぴったりの素敵な選曲になりそう。ぜひ、商品化実現してほしいなぁ。ご興味ある方はぜひ、OMFページをチェックしてみてくださいね。


 番組では、皆さまからのメッセージをお待ちしております。ご意見、お聞きになってのご感想、こんなゲストを呼んでほしいというリクエストなどなど、何でもけっこうです。よろしくお願いします。みなさまの声が銀次さん、スタッフ一同の励みになります! このページのメッセージフォームからお送りいただけると幸いです。次回は、大澤誉志幸さんをお迎えします。銀次さんとは、沢田研二さんの「“おまえにチェックイン”」を始めとする数々の作品で作・編曲コンビを組んできた大澤さん。どんなお話が飛び出すのか、楽しみです。なんと!なんと!スタジオ・ライブも聴かせていただける模様。これは聴きのがせません。どうぞお楽しみに!


●次回予告
2015年5月29日更新予定
第108回「大澤誉志幸」特集その1
~荷物の多い渡り鳥編~
ゲスト:大澤誉志幸



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出演者プロフィール

伊藤銀次

伊藤銀次(いとう ぎんじ)

●1950年12月24日、大阪府生まれ。'72年にバンド“ごまのはえ”でデビュー。その後ココナツバンクを経て、シュガー・ベイブの'75年の名盤 『SONGS』(「DOWN TOWN」は山下達郎との共作)や,大瀧詠一&山下達郎との『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』('76年)など,歴史的なセッションに参加。'77年『DEADLY DRIVE』でソロ・デビュー。以後、『BABY BLUE』を含む10数枚のオリジナル・アルバムを発表しつつ、佐野元春、沢田研二、アン・ルイス、ウルフルズなど数々のアーティストをプロデュース。『笑っていいとも』のテーマ曲「ウクウキWATCHING」の作曲、『イカ天』審査員など、多方面で活躍。
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RIO

RIO(リオ)

●1974年三重県津市生まれ。
アートが好きな父親の影響を受け、3歳から地元の作家 大浦峰郎氏 のもとで水彩画や工作、油彩を学び、次第に画家を志すようになる。
1989 年、本格的に絵画を学ぶ為、中学卒業後単身渡米、アメリカの芸術高校、芸術大学を経て1995年帰国。
1998年 趣味で友人たちと組んたバンドで歌っていたところを、吉本興業が運営していたコミュニティーラジオ「YES-fm」のプロデューサーに「歌は全然イケてないけど、歌と歌の間のMCが最高におもろいし、声がいい!」とスカウトされ、突如ラジオDJ としてデビューする。
1999年~2000年 大阪のFM802でミュージシャンの番組アシスタントを経験後、FM大阪でレギュラー番組、名古屋のZIP-FMのオーディションで優勝しレギュラー番組を獲得など、音楽好きがこうじてデビュー直後から次々と番組が決まる。
その後、大阪を中心にFM大阪、FM802(大阪)、ZIP-FM(名古屋)、東京FM系列全国ネットなどで15年以上にわたりレギュラー番組を担当、テレビ番組出演や、イベントMC、CM・番組ナレーションなど仕事の幅は広がり、多忙を極める。
タレントとしての仕事がどんどん増える一方、忙しくて満足に筆を持つことすらできない状況に悩み続ける。
そして2014年、画家としての活動に専念するため、関西の主要レギュラー番組を全て辞め、FM大阪の30分間の収録番組だけを持って上京。
その後インターナショナルアートフェスティバルファイナリストとしてニューヨークで作品が展示されるなど、鮮やかな色遣いと、優美で繊細な線、独特な感性から生み出される作品は国内外で高く評価される。
また、一度は手放してしまった声の仕事も、依頼が後をたたず、東京のラジオ局でのDJの他、海外のラグジュアリーコスメブランドのCMナレーションや、国内を代表するアーティストのPVナレーションを担当するなど精力的に活動。
現在は東京で画家RIO UMEZAWAとして国内外で活躍しながら、ラジオDJやイベントMC、ナレーションの仕事も続け、コミュニケーション・話し方講師、アートセラピストとしても活動を続けている。
▶オフィシャルサイト

アーカイブ配信 パーソナリティ紹介

土橋一夫(どばし かずお)

●テイチク等を経て(有)シャイグランス代表となり『Groovin'』を創刊、また"Surf's Up Design"を設立しアート・ディレクターとしてジャケットや書籍等を多数手掛ける。ディレクターとしては杉真理、村田和人、玉城ちはる等の新作、細野晴臣、伊藤銀次、杉真理、須藤薫、村田和人、フィル・スペクター関連やA&M等の再発を担当。著書に『ジャケガイノススメ』、編・監修書に『ザ・ビーチ・ボーイズ・ダイアリー』等がある。K-MIX「ようこそ夢街名曲堂へ!」のパーソナリティ/構成を担当中。FLY HIGH RECORDS主宰。

能地祐子(のうじ ゆうこ)

●東京生まれ。大学時代から音楽ライターの仕事を始め、現在に至る。音楽誌を中心に、ロックからJ-POP、アイドル歌謡までジャンル問わず評論、紹介記事を執筆中。音楽以外の趣味は、野球観戦。