ラジオ|アーカイヴ配信|伊藤銀次のPOP FILE RETURNS

第19回「雪は空から降ってくる」特集~内輪な話、実はうちわです編~

会員限定

2013.9.2




第19回「雪は空から降ってくる」放送後記 from 土橋一夫

「POP FILE RETURNS」第19回放送、お楽しみ頂けましたか?

今回も5thアルバム『ウィンター・ワンダーランド』から、ということで「雪は空から降ってくる」を取り上げました。

真夏に聴く冬のアルバムもなかなか乙なものです。特にこの曲の背景にはバート・バカラックがある、というのはファンの間では知られたエピソードですが、B.J.トーマスの「雨にぬれても」を雪に置き換えたら?という康珍化さんのアイディアがこのナンバーを生み出したのでした。

ロック以前のポピュラー・ミュージック(イージーリスニングや映画音楽、カントリーなど)を若い頃に聴いていたという銀次さんが本来的に持つ資質が、この曲にも良い形で表れているのですが、それをそのまま生音で演奏するのではなく、80年代当時の最新のサウンドを駆使して松武秀樹さんのプログラミングで再現する辺りは、いかにも銀次さんらしいと思います。

そして話に出てきた、ブラシの代わりに団扇の骨を使った話!こういう創意工夫がレコーディング現場では大事なんですね。

サンプラーが普及する前の貴重なエピソードでした。

前回の「ダディ柴田とダミー柴田」事件もそうですが、銀次さんの音楽には常にユニークな遊び心が溢れています。

そして発言にもあります通り、このアルバムで一区切りを付けて、この後銀次さんはメロディアス路線からビートを前面に据えたロック路線へと転換を図る訳です。

それからGONTITIとのエピソードも飛び出しましたが、「僕と彼女のショート・ストーリー」は彼らと一緒にやるために作ったものだったんですね!

この日の銀次さんは、スタジオにウクレレを持ち込んでの収録でした。

その辺りもお楽しみ頂けたら嬉しいです。そして作家やスタッフ、ミュージシャンなどのクレジットから入る話!

この辺りはアナログが好きな方なら、なるほどと思われたことと思います。名曲や名演の裏側を知りたい、という話から三橋美智也さんとダビングの話に飛ぶ辺りも、いかにも銀次さんらしいものでした。

そして8月最後の放送ということで、銀次さんが作曲された須藤薫さんの「8月生まれ」もお聴き頂きました。

さて「POP FILE RETURNS」では皆様からのご意見やご要望もお待ちしております。

是非番組ホームページの「投稿フォーム」からお寄せ下さい。

それから引き続き、過去の放送の再配信についてもご意見をお送り頂けたら嬉しいです。

それでは第20回目の放送をどうぞお楽しみに。


●次回予告

2016年3月18日更新予定

第21回「白い恋人たち (SPRING MIX)」特集

~思わずビート・イットを歌ってしまいました編~


第22回「彼女のミステイク」特集

~Thank you Mr.Danny Kortchmar.編~





伊藤銀次のPOP FILE RETURNSへのご意見、ご希望

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出演者プロフィール

伊藤銀次

伊藤銀次(いとう ぎんじ)

●1950年12月24日、大阪府生まれ。'72年にバンド“ごまのはえ”でデビュー。その後ココナツバンクを経て、シュガー・ベイブの'75年の名盤 『SONGS』(「DOWN TOWN」は山下達郎との共作)や,大瀧詠一&山下達郎との『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』('76年)など,歴史的なセッションに参加。'77年『DEADLY DRIVE』でソロ・デビュー。以後、『BABY BLUE』を含む10数枚のオリジナル・アルバムを発表しつつ、佐野元春、沢田研二、アン・ルイス、ウルフルズなど数々のアーティストをプロデュース。『笑っていいとも』のテーマ曲「ウクウキWATCHING」の作曲、『イカ天』審査員など、多方面で活躍。
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RIO

RIO(リオ)

●1974年三重県津市生まれ。
アートが好きな父親の影響を受け、3歳から地元の作家 大浦峰郎氏 のもとで水彩画や工作、油彩を学び、次第に画家を志すようになる。
1989 年、本格的に絵画を学ぶ為、中学卒業後単身渡米、アメリカの芸術高校、芸術大学を経て1995年帰国。
1998年 趣味で友人たちと組んたバンドで歌っていたところを、吉本興業が運営していたコミュニティーラジオ「YES-fm」のプロデューサーに「歌は全然イケてないけど、歌と歌の間のMCが最高におもろいし、声がいい!」とスカウトされ、突如ラジオDJ としてデビューする。
1999年~2000年 大阪のFM802でミュージシャンの番組アシスタントを経験後、FM大阪でレギュラー番組、名古屋のZIP-FMのオーディションで優勝しレギュラー番組を獲得など、音楽好きがこうじてデビュー直後から次々と番組が決まる。
その後、大阪を中心にFM大阪、FM802(大阪)、ZIP-FM(名古屋)、東京FM系列全国ネットなどで15年以上にわたりレギュラー番組を担当、テレビ番組出演や、イベントMC、CM・番組ナレーションなど仕事の幅は広がり、多忙を極める。
タレントとしての仕事がどんどん増える一方、忙しくて満足に筆を持つことすらできない状況に悩み続ける。
そして2014年、画家としての活動に専念するため、関西の主要レギュラー番組を全て辞め、FM大阪の30分間の収録番組だけを持って上京。
その後インターナショナルアートフェスティバルファイナリストとしてニューヨークで作品が展示されるなど、鮮やかな色遣いと、優美で繊細な線、独特な感性から生み出される作品は国内外で高く評価される。
また、一度は手放してしまった声の仕事も、依頼が後をたたず、東京のラジオ局でのDJの他、海外のラグジュアリーコスメブランドのCMナレーションや、国内を代表するアーティストのPVナレーションを担当するなど精力的に活動。
現在は東京で画家RIO UMEZAWAとして国内外で活躍しながら、ラジオDJやイベントMC、ナレーションの仕事も続け、コミュニケーション・話し方講師、アートセラピストとしても活動を続けている。
▶オフィシャルサイト

アーカイブ配信 パーソナリティ紹介

土橋一夫(どばし かずお)

●テイチク等を経て(有)シャイグランス代表となり『Groovin'』を創刊、また"Surf's Up Design"を設立しアート・ディレクターとしてジャケットや書籍等を多数手掛ける。ディレクターとしては杉真理、村田和人、玉城ちはる等の新作、細野晴臣、伊藤銀次、杉真理、須藤薫、村田和人、フィル・スペクター関連やA&M等の再発を担当。著書に『ジャケガイノススメ』、編・監修書に『ザ・ビーチ・ボーイズ・ダイアリー』等がある。K-MIX「ようこそ夢街名曲堂へ!」のパーソナリティ/構成を担当中。FLY HIGH RECORDS主宰。

能地祐子(のうじ ゆうこ)

●東京生まれ。大学時代から音楽ライターの仕事を始め、現在に至る。音楽誌を中心に、ロックからJ-POP、アイドル歌謡までジャンル問わず評論、紹介記事を執筆中。音楽以外の趣味は、野球観戦。