ラジオ|アーカイヴ配信|伊藤銀次のPOP FILE RETURNS

第93回「山口百恵」特集その2~歌わない歌、作って!編~
ゲスト:音楽プロデューサー 川瀬泰雄さん

会員限定

2015.2.13




放送後記 from 能地祐子
 山口百恵さん(でも、どうしても“百恵ちゃん”と呼んでしまう昭和女子ですが)の特集パート2,今回も百恵ちゃんのデビュー当時から引退まで制作をご担当されていた音楽プロデューサー川瀬泰雄さんをお迎えしてお届けします。前回のお話でもちらりと出ましたが、川瀬さんはGS黄金期にホリプロに入社されてモップスや新人の和田アキ子さん、デビュー当時は“アンドレ・カンドレ”という芸名で活動していた井上陽水さん、浜田省吾さんの在籍していたバンド“愛奴”などなど、ジャンルを超えた多くのアーティストを手がけてこられたとか。今回は、よりマニアックな百恵サウンドのお話はもちろんのこと、百恵ちゃん以外のお仕事についても楽しいエピソードをたっぷり聞かせていただきました! ご自身もバンド活動をされていたり、ビートルズ研究家としても有名だったり…と、本当に多才な方ですが、その原点にあるのは音楽ファンとしてのピュアな情熱なんですね。銀次さんとも、そのあたりで気持ちが通じ合うのだろうな…とお二人の会話を聞きながら思いました。
 70年代後半あたりから、いかにもザ・歌謡曲な芸能界とGS~ロック~ポップス人脈のシンガーやソングライターが融合してゆく現象が始まりました。その先駆けとも言えるのは、たとえば百恵ちゃんに数多くの名曲を提供した宇崎竜童&阿木燿子コンビだったりするわけですが。歌手だけでなく、ソングライターやスタッフといった舞台裏にいる人たちの豊かな感性やクリエイティビティが集まって初めて、ああいう新しい時代の幕開けがあったのだなということにも気づかされた今回の百恵ちゃん特集でした。番組の中でもご紹介しましたが、百恵作品は現在、今回の『ゴールデン☆アイドル』盤の他にもハイレゾ音源による全曲配信が始まったばかりです。こだわりの音作り、今、あらためてハイレゾで聴き直してみるのも楽しいのではないでしょうか。


 川瀬泰雄さんの公式サイト(http://www.thebeatlemania.com/)では、他にも川瀬さんが手がけられた膨大なお仕事のリストやエッセイ、百恵さんの全シングル・アルバムの解説や当時のエピソードをまとめたご著書『プレイバック 制作ディレクター回想記』などを読むことができます。ぜひ、ごらんください。


 《銀次のオススメ》は、オーダーファクトリーにエントリーされていた佐伯博志さんの『茉莉花(ジャスミン)+1』がめでたく規定予約数に達して商品化決定というご報告です。佐伯博志さんというのは、ご存じのようにBUZZの小出博志さんが当時のソロ活動ネームです。以前ゲストにも登場してくださった東郷昌和さん共々、この番組では今年もBUZZを大プッシュしていきたいと思います! 小出さんにもぜひゲストに来ていただきたいですね。


 番組では引き続き、皆様からのご意見、ご感想、銀次さんへのおたよりetc…をお待ちしております。番組に関することだけでなく、銀次さんのライヴやイベントに参加された方からの感想などもお寄せいただけたらうれしいです。
---
昨年I STAND ALONEで大分に来られた時、ライヴのあと直接お話しさせて頂いたのが夢のような時間でした。ありがとうございました。私が街の小さなレコード屋でバイトをしていた時に「BABY BLUE」をヘビーローテーションしていた時から、銀次さんは私のアイドルでしたから。(因みにもう一人のアイドルは杉“お父上”真理さんでした!)
【大分県・ザイコン大分さん】
---
 各地で精力的にライヴ活動をしている銀次さん、本当にお忙しそうなのですが。その音楽をずっと聴いてきたファンの方々と直接お会いしたりお話しすることで、銀次さん自身も新しいパワーをもらっているようです。


 次回更新は2月6日。いまみちともたかさんをお迎えして、バービーボーイズのデビュー・アルバム『1ST OPTION』の30周年記念盤の特集をお届けします。いまみちさんと銀次さんのギタリスト・トーク・セッション、めちゃめちゃ盛り上がりました。どうぞお楽しみに。



伊藤銀次のPOP FILE RETURNSへのご意見、ご希望

●ご意見・ご希望

●お住まいの都道府県

●ご年齢

●性別

●ラジオネーム(任意のニックネーム)

出演者プロフィール

伊藤銀次

伊藤銀次(いとう ぎんじ)

●1950年12月24日、大阪府生まれ。'72年にバンド“ごまのはえ”でデビュー。その後ココナツバンクを経て、シュガー・ベイブの'75年の名盤 『SONGS』(「DOWN TOWN」は山下達郎との共作)や,大瀧詠一&山下達郎との『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』('76年)など,歴史的なセッションに参加。'77年『DEADLY DRIVE』でソロ・デビュー。以後、『BABY BLUE』を含む10数枚のオリジナル・アルバムを発表しつつ、佐野元春、沢田研二、アン・ルイス、ウルフルズなど数々のアーティストをプロデュース。『笑っていいとも』のテーマ曲「ウクウキWATCHING」の作曲、『イカ天』審査員など、多方面で活躍。
▶Facebook

RIO

RIO(リオ)

●1974年三重県津市生まれ。
アートが好きな父親の影響を受け、3歳から地元の作家 大浦峰郎氏 のもとで水彩画や工作、油彩を学び、次第に画家を志すようになる。
1989 年、本格的に絵画を学ぶ為、中学卒業後単身渡米、アメリカの芸術高校、芸術大学を経て1995年帰国。
1998年 趣味で友人たちと組んたバンドで歌っていたところを、吉本興業が運営していたコミュニティーラジオ「YES-fm」のプロデューサーに「歌は全然イケてないけど、歌と歌の間のMCが最高におもろいし、声がいい!」とスカウトされ、突如ラジオDJ としてデビューする。
1999年~2000年 大阪のFM802でミュージシャンの番組アシスタントを経験後、FM大阪でレギュラー番組、名古屋のZIP-FMのオーディションで優勝しレギュラー番組を獲得など、音楽好きがこうじてデビュー直後から次々と番組が決まる。
その後、大阪を中心にFM大阪、FM802(大阪)、ZIP-FM(名古屋)、東京FM系列全国ネットなどで15年以上にわたりレギュラー番組を担当、テレビ番組出演や、イベントMC、CM・番組ナレーションなど仕事の幅は広がり、多忙を極める。
タレントとしての仕事がどんどん増える一方、忙しくて満足に筆を持つことすらできない状況に悩み続ける。
そして2014年、画家としての活動に専念するため、関西の主要レギュラー番組を全て辞め、FM大阪の30分間の収録番組だけを持って上京。
その後インターナショナルアートフェスティバルファイナリストとしてニューヨークで作品が展示されるなど、鮮やかな色遣いと、優美で繊細な線、独特な感性から生み出される作品は国内外で高く評価される。
また、一度は手放してしまった声の仕事も、依頼が後をたたず、東京のラジオ局でのDJの他、海外のラグジュアリーコスメブランドのCMナレーションや、国内を代表するアーティストのPVナレーションを担当するなど精力的に活動。
現在は東京で画家RIO UMEZAWAとして国内外で活躍しながら、ラジオDJやイベントMC、ナレーションの仕事も続け、コミュニケーション・話し方講師、アートセラピストとしても活動を続けている。
▶オフィシャルサイト

アーカイブ配信 パーソナリティ紹介

土橋一夫(どばし かずお)

●テイチク等を経て(有)シャイグランス代表となり『Groovin'』を創刊、また"Surf's Up Design"を設立しアート・ディレクターとしてジャケットや書籍等を多数手掛ける。ディレクターとしては杉真理、村田和人、玉城ちはる等の新作、細野晴臣、伊藤銀次、杉真理、須藤薫、村田和人、フィル・スペクター関連やA&M等の再発を担当。著書に『ジャケガイノススメ』、編・監修書に『ザ・ビーチ・ボーイズ・ダイアリー』等がある。K-MIX「ようこそ夢街名曲堂へ!」のパーソナリティ/構成を担当中。FLY HIGH RECORDS主宰。

能地祐子(のうじ ゆうこ)

●東京生まれ。大学時代から音楽ライターの仕事を始め、現在に至る。音楽誌を中心に、ロックからJ-POP、アイドル歌謡までジャンル問わず評論、紹介記事を執筆中。音楽以外の趣味は、野球観戦。