放送後記 from 能地祐子
昨年末、この番組で大滝詠一さんのベスト盤『Best Always』を特集した時に、大滝さんがカラオケでフランク永井を歌われた……という話題になり、銀次さんが「フランクさんといえばね……」と、山下達郎さんがプロデュースしたフランクさんのシングル「WOMAN」のB面曲である「愛のセレナーデ」にまつわるエピソードを話してくれました。若き日の銀次さんと達郎さんとで、キングトーンズに歌ってもらえたらいいね……というイメージで書いた3曲のうちのひとつが「愛のセレナーデ」。残りの2曲はご存じのように、シュガーベイブでおなじみとなりましたが。この「愛のセレナーデ」はフランク永井さんのシングルでようやく日の目を見たものの、長らく“幻の名曲”として知る人ぞ知る存在だったのです。ところが、21世紀になった今、この曲がひとりの“新人歌手”によって再び脚光を浴びることになったのです……。
その“新人歌手”とは……今週、来週の2回にわたりゲストにお迎えしたラッツ&スターの国民的ベース・ボーカルであり、常に果敢なフロンティア精神あふれる作品を世に送り出してきたレコード会社の社長さんでもある佐藤善雄さんです。このたび“BARRY SATO”の名で初のソロ・アルバムを発表した佐藤さん、そのアルバムで「愛のセレナーデ」をカヴァーされています。今週はこのソロ・アルバムのお話を中心に、「愛のセレナーデ」との出会いやレコーディング前に銀次さんと交わしたやりとりなど、番組ならではの秘話も満載でお届けします。歌には命があって、作者や歌い手のもとを離れてもずっと旅をして、いつか戻るべきところに戻ってくるのかな……と、ちょっと不思議な気持ちにすらなるエピソードも。お聞きのがしなく。
《銀次のオススメ》でも、せっかく佐藤さんが来てくださっているのでオールディーズ系カタログをご紹介。『ゴールデン・ジュークボックス~永遠のポピュラー・ヒッツ』は通販限定BOXですが、オールディーズ全集としては珍しく70年代モノも数多く収録されているということで人気上昇中。時代感としては、まさに銀次さんや佐藤さん世代の“青春時代”ですね。佐藤さんも「タイトルに“ゴールデン”ってついているだけで、楽しくなってきますよね」とニコニコしながらインデックスをご覧になっていました。
番組では引き続き、みなさまからのメッセージをお待ちしております。お聞きになっての感想、こんなゲストを呼んで欲しい、アンコール放送のご希望などなど、このページのメッセージフォームからお送りいただけると幸いです。また、全国津々浦々と旅して回る銀次さんのライブをご覧になった感想など、目撃情報(笑)もぜひお寄せください。よかったら、もうすぐ100回を迎える番組へのお祝いメッセージなどもお願いします!
伊藤銀次のPOP FILE RETURNSへのご意見、ご希望
出演者プロフィール
伊藤銀次(いとう ぎんじ)
●1950年12月24日、大阪府生まれ。'72年にバンド“ごまのはえ”でデビュー。その後ココナツバンクを経て、シュガー・ベイブの'75年の名盤 『SONGS』(「DOWN TOWN」は山下達郎との共作)や,大瀧詠一&山下達郎との『NIAGARA TRIANGLE VOL.1』('76年)など,歴史的なセッションに参加。'77年『DEADLY DRIVE』でソロ・デビュー。以後、『BABY BLUE』を含む10数枚のオリジナル・アルバムを発表しつつ、佐野元春、沢田研二、アン・ルイス、ウルフルズなど数々のアーティストをプロデュース。『笑っていいとも』のテーマ曲「ウクウキWATCHING」の作曲、『イカ天』審査員など、多方面で活躍。
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RIO(リオ)
●1974年三重県津市生まれ。
アートが好きな父親の影響を受け、3歳から地元の作家 大浦峰郎氏 のもとで水彩画や工作、油彩を学び、次第に画家を志すようになる。
1989 年、本格的に絵画を学ぶ為、中学卒業後単身渡米、アメリカの芸術高校、芸術大学を経て1995年帰国。
1998年 趣味で友人たちと組んたバンドで歌っていたところを、吉本興業が運営していたコミュニティーラジオ「YES-fm」のプロデューサーに「歌は全然イケてないけど、歌と歌の間のMCが最高におもろいし、声がいい!」とスカウトされ、突如ラジオDJ としてデビューする。
1999年~2000年 大阪のFM802でミュージシャンの番組アシスタントを経験後、FM大阪でレギュラー番組、名古屋のZIP-FMのオーディションで優勝しレギュラー番組を獲得など、音楽好きがこうじてデビュー直後から次々と番組が決まる。
その後、大阪を中心にFM大阪、FM802(大阪)、ZIP-FM(名古屋)、東京FM系列全国ネットなどで15年以上にわたりレギュラー番組を担当、テレビ番組出演や、イベントMC、CM・番組ナレーションなど仕事の幅は広がり、多忙を極める。
タレントとしての仕事がどんどん増える一方、忙しくて満足に筆を持つことすらできない状況に悩み続ける。
そして2014年、画家としての活動に専念するため、関西の主要レギュラー番組を全て辞め、FM大阪の30分間の収録番組だけを持って上京。
その後インターナショナルアートフェスティバルファイナリストとしてニューヨークで作品が展示されるなど、鮮やかな色遣いと、優美で繊細な線、独特な感性から生み出される作品は国内外で高く評価される。
また、一度は手放してしまった声の仕事も、依頼が後をたたず、東京のラジオ局でのDJの他、海外のラグジュアリーコスメブランドのCMナレーションや、国内を代表するアーティストのPVナレーションを担当するなど精力的に活動。
現在は東京で画家RIO UMEZAWAとして国内外で活躍しながら、ラジオDJやイベントMC、ナレーションの仕事も続け、コミュニケーション・話し方講師、アートセラピストとしても活動を続けている。
▶オフィシャルサイト
アーカイブ配信 パーソナリティ紹介
土橋一夫(どばし かずお)
●テイチク等を経て(有)シャイグランス代表となり『Groovin'』を創刊、また"Surf's Up Design"を設立しアート・ディレクターとしてジャケットや書籍等を多数手掛ける。ディレクターとしては杉真理、村田和人、玉城ちはる等の新作、細野晴臣、伊藤銀次、杉真理、須藤薫、村田和人、フィル・スペクター関連やA&M等の再発を担当。著書に『ジャケガイノススメ』、編・監修書に『ザ・ビーチ・ボーイズ・ダイアリー』等がある。K-MIX「ようこそ夢街名曲堂へ!」のパーソナリティ/構成を担当中。FLY HIGH RECORDS主宰。
能地祐子(のうじ ゆうこ)
●東京生まれ。大学時代から音楽ライターの仕事を始め、現在に至る。音楽誌を中心に、ロックからJ-POP、アイドル歌謡までジャンル問わず評論、紹介記事を執筆中。音楽以外の趣味は、野球観戦。