2022年4月号|特集『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』

【Part1】妄想トライアングルVOL.3 本秀康(画家、漫画家、雷音レコード・ディレクター)

コラム

2022.4.1


もしも、『NIAGARA TRIANGLE VOL.3』が作られていたなら……。
そんな叶わぬ夢をちょっとでも想像してみようということで、識者のみなさんに企画書を作成していただきました。

あなたは40年ぶりに発表される『NIAGARA TRIANGLE VOL.3』のプロデューサーに任命されました。以下、企画書の作成をお願いいたします。

企画者:本秀康(イラストレーター、漫画家)

まず、3名の人選をお願いします。

僕の考えた新しいNIAGARA TRIANGLEのメンツは、大滝さん+ジョージ・ハリスン+ジェフ・リンの3人です。リリース年は現在ではなく、大滝さんとジョージが存命中、自分がプロデュースするなど非現実的すぎるのでそのルールも無視します。リスナーとして聴いてみたい『NIAGARA TRIANGLE VOL.3』を妄想してみました!

この3名を選んだ理由と、『NIAGARA TRIANGLE VOL.3』のアルバム内容について解説をお願いします。

大滝詠一+ジョージ・ハリスン+ジェフ・リンの『NIAGARA TRIANGLE VOL.3』は、ロイ・オービソンが亡くなった'88年から、ジョージが亡くなる'01年までの間に発表された設定です。結成のきっかけはジョージの日本公演の際にジョージと大滝さんが知り合い、仲良くなったということにしましょう(大滝さんはジョージのライヴを見たのでしょうか?)。所属レーベルが違うので、ジョージとジェフが在籍したトラベリング・ウィルベリーズのように3人が変名の覆面バンドの体裁になるかもしれません(その場合は大滝さんがそれぞれにユニークなペンネームを命名するはずです)。内容的には、大滝さんとジョージが共作したフィル・スペクター・オマージュ曲あり、大滝さんとジェフのロイ・オービソンもどきな楽曲あり(どちらがリードヴォーカルをとっているかわからないレベルでロイ・オービソン度が高いはず!)、3人とも大好きなエルヴィス・プレスリーみたいな楽曲が集まりすぎて、最低でも3曲は入っています。このメンツだと自然とオールディーズ的なアルバムになってしまうのは必然なのでしょう。アルバムの締めは「ウィルベリー・ツイスト」ばりにジェフ・リンがリアレンジした、アッパーなジェフ・リン・サウンド版「ナイアガラ音頭」です。ゲストヴォーカルがリンゴ・スターだったら最高です!

40年前の前作『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』についてご自由に一言!

世代的に馴染みがあるのは『VOL.1』より断然『VOL.2』です。といっても発売当時の中学生の僕は 「A面で恋をして」をテレビCMやラジオで聴くくらいで、アルバムにどハマりしたのは数年後の高校生の頃なので、世代的には間に合っているのに完全なリアルタイマーではないのがちょっと情けないです。それぞれの曲に10代後半のいい思い出や辛い記憶がオーバーラップします。アレンジがどうの、元ネタがどうのという興味以前に、普通に自分の青春時代に密着した数少ないアルバムのうちの1枚が、 僕にとっての『NIAGARA TRIANGLE VOL.2』です。



本秀康(もと・ひでやす)

●1969年、京都生まれ。画家/漫画家/雷音レコード・ディレクター。雷音レコードより4月8日にKiQ「あたちぱ」、kiss the gambler「Fresh」7inch発売。4月23日の「RECORD STORE DAY」にkiss the gambler『黙想』LP発売。