2026年9月号|特集 Chara
Part2|Charaヒストリー
解説
2026.9.4
文/石角友香

(【Part1】からの続き)
Part2
「母親になったことでアーティストしての表現は変わりましたか?」――きっとCharaも嫌になる程この同じ質問を受けてきただろう。だが、彼女はもともと母親になることに憧れがあった人だ。キャリアがストップしてしまうというネガティヴ思考も母性への過度な賛美もおそらくない。そのことは彼女のキャリア最大のヒット作となった5thアルバム『Junior Sweet』(’97年)に収録されている12曲が何より雄弁に語っている。母親になるという人生の経験を誰かと比較するのではなく、人間として生き物としてビビッドな音と言葉に落とし込んだこのアルバムは子供たちが生きていく世界が美しくやさしいものであってほしいという願いと強い意志の産物であり、それは少女の無垢性や理想の高さとも地続きなのだ。ファンがCharaの中に見るガーリーな魅力とは母親になろうとおばあさんになろうと人間として変わらないしなやかな精神性なのだと思う。
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