2026年7月号|特集 渡辺美里

【Part5】|渡辺美里ヒストリー

会員限定

解説

2026.7.24

文/兼田達矢


【Part4】からの続き)

Part5:『Dear My Songs〜うたの木〜』~40周年


 渡辺美里は’08年10月、デビュー25周年を前に2枚目のセルフカヴァー・アルバム『Dear My Songs〜うたの木〜』をリリースした。この作品が“うたの木”シリーズの1枚とされたのは、自分のオリジナル曲はどれも1曲1曲、種から厳選し、丹精込めて育て上げてきたという思い入れと自負の表れだろうが、その一方で“Dear My Songs”=「親愛なる我が歌たちよ」とでも訳すべきメイン・タイトルには“あんたたち、立派になったねぇ”というような、自立した存在に対する情愛とリスペクトの感情を感じる。ちなみに、翌’09年5月にスタートして全国15カ所をまわったツアーのタイトルは“Dear My Songs〜輝くとき〜”だった。


渡辺美里
『Dear My Songs〜うたの木〜』

2008年10月8日発売


 そして、この年の大晦日にカウントダウン・ライヴ“祝!祝!VV25”を開催し、いよいよ25周年イヤーに突入していったわけだが、年明け早々の1月にリリースされた25周年記念ベスト・アルバムは25年間にリリースされたシングル曲を全てリマスタリングしてリリース順に収めた完全シングル集で、タイトルは『Song is Beautiful』。「歌は素晴らしい」というのは彼女の変わらぬ実感だろうが、ポピュラー音楽の基本ともいうべきシングルというフォーマットで、自分が素晴らしいと思う歌を25年の間コツコツと発表し続けてきた彼女の弛まぬ努力とタフな精神を再確認できるアイテムだ。この年の後半には“Wonderful Moments パレード!パレード!”と“プレミアムライヴツアー”という2本のアニヴァーサリー・ツアーを敢行。翌年3月の東日本大震災を乗り越えて、4月30日に大阪のザ・シンフォニーホールで、デビュー記念日の5月2日には東京・すみだトリフォニーホールでフルオーケストラ・コンサートを開催。アニヴァーサリー・イヤーに区切りをつけた。



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