2026年7月号|特集 渡辺美里

②Lovin’ you|渡辺美里 全オリジナル・アルバム

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レビュー

2026.7.2

文/油納将志


渡辺美里
『Lovin’ you』

1986年7月2日発売

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Disc1
01. Long Night
02. 天使にかまれる
03. My Revolution
04. そばにいるよ
05. 素敵になりたい
06. 19才の秘かな欲望
07. This Moment
08. 君はクロール
09. Resistance
10. My Revolution ~Hello Version~

Disc2
01. 悲しき願い ~Here & There~
02. みつめていたい ~Restin’ In Your Room~
03. 言いだせないまま
04. 雨よ降らないで
05. Steppin’ Now
06. 男の子のように
07. A Happy Ending
08. Teenage Walk
09. 嵐ヶ丘
10. Lovin’ you


長いキャリアを支える強靭な骨格となった2枚組アルバム


 1986年春、「My Revolution」が週間チャートの首位に輝き、渡辺美里の名は日本中に轟いた。その爆発的なブレイクからわずか半年後にリリースされた2ndアルバム『Lovin’ you』は、突然手にした巨大な注目を力技で押し通すのではなく、むしろ丁寧に咀嚼し直した上で差し出すような、成熟と瑞々しさが同居した作品だ。本作は10代の邦楽アーティストとして史上初となる2枚組CDアルバムという破格のスケールで届けられ、みごとにアルバム・チャートでも首位を獲得。デビュー作『eyes』が才能の集積としての驚きに満ちていたとすれば、本作は渡辺美里という表現者が、時代を牽引するフロントランナーとしての覚悟を鮮烈に証明したアルバムと言えるだろう。

 引き続き小室哲哉、岡村靖幸、木根尚登らが楽曲を提供しているが、本作のサウンドプロダクションを語る上で欠かせないのが、全曲の編曲を担った大村雅朗の存在だ。前作と比較したとき、シンセ・ポップ的な硬質さは残しつつも、より豊潤でオーガニックな温度感が加味され、全体にしなやかさが増している。大村の巧みなアレンジワークは、’86年という時代の空気、バブル経済の助走期に漂っていた、軽やかな高揚感と微かな不安の混在をみごとに音像へと定着させた。



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