デビュー45周年!『SMOKIN' GUN ~Forever Hits:Fan Edition 45~』発売中!! 10年ぶりのオリジナル・フル・アルバム『REVOLVER 45』6/17 発売!!!
2026年6月号|特集 THE MODS
【Part4】時代に風穴を開けるアンティノス期|THE MODSストーリー ~45 Years~
解説
2026.6.18
文/本田隆

(【Part3】からの続き)
’98年、潔さと深さが同居したモッズの未来を示唆する傑作『CLOUD 9』発表
1994年いっぱいで自身のレーベルSCARFACE RECORDSでの活動を終了させたTHE MODS(以下:モッズ)が新天地として選んだレーベルは、アンティノス・レコードだった。同社は、EPIC・ソニーで苦楽を共にしたファウンダー、丸山茂雄氏が立ち上げた当時の新興レーベルだ。音源のリリースも含め、新しいレーベルとしてEPIC・ソニーから独立したシステムだった。しかし、当時のモッズには、所属していた徳間ジャパンに残るという選択肢もあったという。確かに徳間ジャパンでは、アルバム『叛~REBEL』、同時期に発売された映像作品『REVENGE』が’91年度ヒット賞を受賞し、バンドにとっても申し分のないレーベルだった。しかし、今回のインタビューでも「久しぶりに丸山さんとやれるというのが嬉しかった」と森山達也が語っているように、絶大な信頼を置く丸山との再会は大きなモチベーションになった。
アンティノスからのアルバムリリース第1弾は、『KILBURN BRATS』。モッズとしては通算16枚目のオリジナル・アルバムだ。リードトラックとなり、先行シングルとしてもリリースされた「LESS THAN ZERO」の中で森山は「踏みださなきゃ 意味がない」と繰り返し歌う。心機一転、全てを振り出しに戻して、リスタートを切るモッズはこの曲に自分たちの未来を託した。さらに「ONE CHANCE」、「他に何か」という収録された楽曲からも決意表明を感じ取ることができる。
THE MODS「LESS THAN ZERO」
『KILBURN BRATS』のレコーディングは同年5月にロンドンで行われた。新レーベルとの契約、そして渡英。それは、デビュー・アルバム『FIGHT OR FLIGHT』のリリース時と同じ状況だった。あの時と同様、リスキーな局面がモッズというバンドをさらにタフにした。そして結成から14年。曲に自分たちの心情をダイレクトに映すというスタンスもデビュー当時から変わっていない。そしてロックンロールという一見シンプルな音楽様式の中に、様々なギミックを施し、懐古とは異質な最新型として提示する他に類をみないバンドの力量がこの期間で培われていた。本作でもヒップホップのエッセンスを取り入れた「JOY OR JAIL」など、多様性を帯びてきた90年代以降のロックシーンにひとつの方向性を見せたアルバムとなった。
かつて森山は「ロックンロールはいちばんチープで、いちばんシンプルで馬鹿げた音楽だと思うから、どうやって人と違うことをやれるか、どうやってひとより優れるかってことを常に考えてきた…」と語っていた。(註:JICC出版局『ザ・モッズ レット・イット・ロック』より。原文ママ)その意味合いは、リリースごとに進化を遂げるアルバムごとに現実味が増してくる。そしてアンティノス期のモッズも、この言葉通りの革新と創造の時代となる。

THE MODS
『KILBURN BRATS』
1995年9月21日発売
同年の9月1日に先行シングルとして「LESS THAN ZERO」がリリース、21日は『KILBURN BRATS』がリリース。本作のCDの帯には「大丈夫!モッズがいるから。」と書かれた。この言葉通り、モッズは日本のロックシーンの大きな指針となっていた。アルバムリリースに伴うツアー『BRATS! BRATS! BRATS!』は全国8カ所、13回のライヴを敢行。10月22日には『THE MODS in 野音 Live Brats』として日比谷野外音楽堂公演も行われた。「LESS THAN ZERO」、「JOY OR JAIL」、「LONDONTIME IN BLUE」、「SO WHAT」…、新曲を中心に据えたセットリストの中でも、特に客は熱狂的な盛り上がりを見せた「他に何が」は、この夜から現在に至るまでライヴの定番曲となっている。
そしてレコード・デビュー15周年のアニバーサリー・イヤーでもある’96年は、2月からニュー・アルバム『ZA MOZZ』のレコーディングが開始。5月には〈ESPECIAL 5〉と銘打たれ、名古屋、大阪、神戸、福岡、東京の5都市を巡るツアーに出る。東京の会場は、オープンしたばかりの赤坂BLITZだった。オールスタンディングのフロアを眼前に白熱したステージを繰り広げるが、アンコールでアンプに繋がる電源が落ちてしまうというハプニングもあったが、オーディエンスの歌声がバンドをサポートし、ファンにとっても忘れ難いライヴとなった。そして6月21日にシングル「今夜決めよう」をリリース。ミュージックビデオには多くのファンが登場。その飾り気のない笑顔、モッズのライヴで見せる真っ直ぐな瞳は、モッズに対する憧れとリスペクトの表れだった。かつて掲げていたスローガン、 “FOR THE BROKEN KIDS” が健在であることを証明していた。そして6月30日に行われた日比谷野外音楽堂公演は〈THANKS FOR THE 15TH ANNIVERSARY ZA MOZZ FROM 1996〉と銘打たれ、入場者全員にファースト・アルバム『FIGHT OR FLIGHT』のジャケットがプリントされたTシャツがプレゼントされた。そして翌7月21日に年明けから制作がスタートした『ZA MOZZ』がリリース。

THE MODS
『ZA MOZZ』
1996年7月21日発売
アルバム・タイトルにある “MOZZ” は、森山が’74年に結成した第1期モッズのスペルでもある。周知の通り、モッズは、60年代に勃発した英国のユースカルチャー、モッズ・ムーヴメントから由来している。ザ・フーやスモール・フェイセス、ザ・キンクスなど、当時ブームの渦中にいたバンドたちもエッセンスを取り入れ、“MOZZ”は始動した。そして、この時リリースされた『ZA MOZZ』と銘打たれたアルバムからも、森山が結成当初からフェイバリットだった、英国ビートグループの面影を感じられた。さらにシングルカットされた「今夜決めよう」、そして「KISSをしようよ」といった、 “森山メロディーの真骨頂” ともいうべき切なさが募る名バラードが収録された名盤と言っていいだろう。しかし、この時点でモッズは、【Part3】で触れたようにサウンド面での模索から抜け出すことができない状況の最中だった。その荒治療として本作のレコーディングには、それまでの得意技だったレスポールとマーシャルを封印して行われていた。
↑THE MODSオフィシャルサイト↑
↑THE MODS 『SMOKIN’ GUN ~Forever Hits : Fan Edition 45~』 otonano PORTAL↑
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【Part3】デビュー10年目の新レーベル設立|THE MODSストーリー ~45 Years~
解説
2026.6.12