2026年3月号|特集 日本シンセサイザー音楽の曙

❹松武秀樹『デジタル・ムーン+謎の無限音階』|日本シンセサイザー音楽の曙・徹底解説

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スペシャル

2026.3.31

文/池上尚志


松武秀樹
『デジタル・ムーン+謎の無限音階』


1. ジェームズ・ボンドのテーマ (from "Dr. No")
2. 007は二度死ぬ (from "You Only Live Twice")
3. 黄金銃をもつ男 (from "The Man With The Golden Gun")
4. ロシアより愛をこめて (from "From Russia With Love")
5. ダイヤモンドは永遠に (from "Diamonds Are Forever")
6. ムーンレイカー (from "Moonraker")
7. 死ぬのは奴らだ (from "Live And Let Die")
8. 女王陛下の007 (from "On Her Majesty's Secret Service")
9. 私を愛したスパイ (from "The Spy Who Loved Me")
10. ゴールドフィンガー (from \"Goldfinger\")
11. 宇宙への出発(たびだち)(上昇音階)
12. 宇宙からの帰還(下降音階)
13. ワープ航法 Part 1(連続上昇音)
14. ワープ航法 Part 2(連続下降音)

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 日本のシンセ・プログラマーの先駆けであり、“YMO第4の男”とも呼ばれた松武秀樹の監修による、日本のシンセサイザー黎明期の作品を復刻するシリーズのラストとなる4作品目は、松武氏自身の作品、『デジタル・ムーン+謎の無限音階』(’79年/’78年)だ。

 松武氏のどこが凄いのか。その最大の功績は、シンセサイザーを“楽器”のレベルにまで昇華させ、ポップ・ミュージックをクリエイトするための一要素として定着させたことにある。初期のシンセサイザーはあくまでも“音が作れる発信器”であり、だからこそ効果音として絶大な力を発揮した。その音でクラシックなどの音楽を演奏することは、松武の師匠でもある冨田勲ら先人たちがやってきたし、数多いシンセサイザーの企画モノ作品はそういった域を出なかった。しかし、松武はそういったところから抜け出し、アレンジャーと組んで一緒に音楽を作ることで、シンセサイザーにギターやピアノといった楽器と同等の可能性があることを世の中に知らしめたのだ。その最大の成果がYMOなのだ。



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