2026年3月号|特集 日本シンセサイザー音楽の曙

⑯清水靖晃『IQ-179 愛究壱百七拾九』|日本シンセサイザー音楽名盤21

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レビュー

2026.3.24


清水靖晃
『IQ-179 愛究壱百七拾九』

1981年8月25日発売

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01. CROW
02. LIZARD
03. HAKO‐箱
04. DOLL PLAY I
05. PUZZLE34
06. CLOUD9
07. △E=△mc2=AMNESIA
08. IQ-179
09. LITTLE“L”
10. DOLL PLAY II
11. SHASHIN‐写真
12. LOST HORIZON




ポスト・モダン時代のデカダンスを会得した者だけが達することのできるエロティシズム


 マライアの結成以来加速度的に正統的なジャズ〜フュージョンの語法から遠ざかりつつあったサックス奏者の清水靖晃が、そのニュー・ウェイヴ〜ダブ的な志向を全開にした傑作にして問題作。冒頭の「CROW」からして、まったくもって既存のジャンル概念から逸脱したような作りで、今聞いてもあまりにカッコ良すぎる。この曲にもほのかにジャズの香り感じられるし、なおかつ「CLOUD 9」のようにストレートにジャズ風の演奏も収められてはいるものの、どこかジャズを記号として捉え、それを操作的に脱構築した上で演奏しているような感じ――つまり、「ポスト・モダン」なムードが濃厚に漂っている。かといって、頭でっかちな感じは全くせず、妙にセクシーなのだ。ポスト・モダン時代のデカダンスを会得した者だけが達することのできるエロティシズム……とでも言うべきか。

文/柴崎祐二



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