2026年3月号|特集 日本シンセサイザー音楽の曙
【Part2】マイカ・ルブテが語るシンセサイザーの魅力
インタビュー
2026.3.12
インタビュー・文/國崎晋 写真/山本佳代子

(【Part1】からの続き)
JX-3Pで一体何曲できたんだろうってくらい、自分にとって大切なシンセですね。
── ハードオフで実機のシンセROLAND Juno-106に出会い、音の良さに衝撃を受け、またハードオフで同じくROLANDのPromarsを買ったということですが、その後もハードオフ通いは続けたんですか?
マイカ・ルブテ はい(笑)。Promarsを買った後に、シンセじゃないんですけどCASIOのCT-403っていうキーボードを買いました。エレピとオルガンとリズムマシンが一緒になっていて、調べてみたら幼稚園とかのお歌の時間に先生が使うために作られたものでした。見た目もかわいくて、ちょっとくすぐられるポイントがあって、これを使って曲を作ってみたいなと。それでこのCASIOのキーボードとJuno-106、そしてPromarsを弾いて、それをLogicに録っていく感じで曲作りをしていました。

── 作った曲はどこかで発表していたんですか?
マイカ・ルブテ その頃はMyspaceにアップしていましたね。
── Myspace! 懐かしいというか存在を忘れていました。ミュージシャンが曲を公開できるSNSとして流行りましたよね?
マイカ・ルブテ はい、私も久々に“Myspace”って口にしました(笑)。Myspaceに頻繁に曲をアップしていたのは高校3年か大学に入りたてのころですかね。ただ、歌が本当に下手で……歌心がまったくないっていうか、そもそも陰キャで人前に出て声を発するのが苦手。どっちかというと裏方志向だったんです。だからといってヴォーカリストを探そうってことでもなく、地道にヴォイトレに通ったりしていました。そんな中、運命的なシンセと出会ったんです。
── またハードオフで?

●マイカ・ルブテ (Maika Loubté)
音楽家。幼少期から十代までを日本・パリ・香港で過ごし、クラシックピアノを学ぶ。現在は東京を拠点に活動をしている。音大在学中にビンテージアナログシンセサイザーと出会い、電子音楽の世界に魅了される。現在もエレクトロニックミュージックを基軸に、ジャンルを超えた音楽制作に取り組んでいる。
自身の作品リリースに加え、多数のアーティストのライブやレコーディングに参加。 プロデューサー、リミキサーとしても活動する。2026年3月現在開催中の「攻殻機動隊展」の空間音楽や、Rakuten Fashion Week TOKYO 2024 A/W、23区、ランドリン、Google、GMOなど多様なブランドや企画の音楽制作も手がける。その他、アニメ『キャロル&チューズデイ』(渡辺信一郎監督)への楽曲提供や、ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(坂元裕二脚本)では歌唱参加を果たすなど、映像作品との親和性においても注目を集めている。
2020年発売のシングル「Show Me How」がMAZDA MX-30のTVCMに起用され、本人も出演した。2021年にアルバム『Lucid Dreaming』をリリースし、翌2022年にはSpotifyのEQUALプログラムに選出、ニューヨーク・タイムズスクエアのビルボードに登場。その他、SUMMER SONICや朝霧JAMなどの国内の大型フェスへも出演。世界中のアーティストとのコラボレーションや海外でのライブツアーも行う。
映画音楽やCM音楽、楽曲提供、サウンドプロデュース、リミックス、DJ、日・仏・英語での歌唱提供、ナレーションなど多角的に活動中。2026年4月1日には最新アルバム『House of Holy Banana』をリリース予定。
https://www.maikaloubte.com/
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