2026年2月号|特集 ドラマの劇伴

【90年代ドラマ】日向敏文から始まったドラマサントラ黄金時代|Dramaticが止まらない

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コラム

2026.2.12

文/高島幹雄


大人気ドラマ“ロンバケ”はCDの発売点数も異例の多さだった


 80年代後半は一部の刑事ドラマや時代劇以外はテレビドラマのサウンドトラック盤が発売されることは非常に少なかった。ドラマを観ていて音楽(劇伴)が聞こえてきたシーンに感情移入した瞬間、その音楽だけを聴いてみたくなってもサントラ盤が無かった。この時代の稀有な例としては、’86年の『男女7人夏物語』、翌’87年の続編『男女7人秋物語』がある。シャカタクのアルバムを劇伴として使っていたので、前者は『INTO THE BLUE』、後者は『GOLDEN WINGS』を仮想サントラ盤として聴いていた。この両アルバムは帯のキャッチなどに番組名のタイアップ表記は無く、オープニング映像にあるクレジットを見て、このアルバムの存在を知ったものだった。その後、80年代末期から90年にかけてのフジテレビ“月9”の黎明期に放送されたトレンディドラマや恋愛ドラマをはじめとしたヒット作、話題作もサントラ盤が無く、その飢餓感は大きかった。


SHAKATAK
『INTO THE BLUE』

1986年発売



 そのような状況は、’91年のフジテレビ“月9”ドラマ『東京ラブストーリー』で一変した。アルファの契約アーティストだった日向敏文が音楽を手がけ、それまでサントラとは無縁に近い同社からサウンドトラック・アルバムが発売された。雑誌にアルファが打った1ページの全面広告で見て驚いた記憶がある。鈴木保奈美=赤名リカを的確すぎるメロとサウンドで表現した「Rica’s Theme」はアルバムに未収録の別ヴァージョンもあり、別売りの8cmCDシングルだけに収録の「Rica’s Theme~Special Version」も購入して聴いていた。これが35周年記念盤にはボーナストラックとして収録されるのも嬉しい限りだ。

日向敏文
『東京ラブストーリー 35th Anniversary Edition』

2026年2月25日発売


 日向は翌’92年の月9に鈴木保奈美が再び主演の『愛という名のもとに』、’93年『ひとつ屋根の下』、’94年『妹よ』、’95年『いつかまた逢える』などを手がけ、いずれもサントラ盤がリリースされた。 

 “東ラブ”の音楽が小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」だけでなく、サントラ盤も大ヒットしたことによって、地道にアルバムを発表してきたインストゥルメンタル系アーティストのサントラへの起用が増えていった。この状況の変わり目が’91年年頭の1月期というのも区切りが良かったのではと思う。



『東京ラブストーリー』サウンドトラックが、35周年記念盤としてCD復刻と初アナログ化!