2026年1月号|特集 ガールズ・ロック

【Part3】山下久美子スペシャル・ロングインタビュー

会員限定

インタビュー

2026.1.22

インタビュー・文/大谷隆之 写真/山本佳代子


【Part2】からの続き)

スウィートなロックンロールを楽しんで、にっこり笑顔になって帰ってねというのが、私のモチベーション。


── 佐野元春さんが作詞・作曲された「So Young」。サードアルバム『雨の日は家にいて』(’81年8月25日)の冒頭を飾ったこのロックチューンについて、もう少し聞かせてください。80年代前半のライヴでも重要な役割を果たしたナンバーですが、レコーディングで印象に残っていることは?

山下久美子 歌入れのとき、佐野くんがわざわざスタジオに来てくれたんです。で、「まず僕が歌ってみせるね」とマイクに向かったんだけど、その仮歌が延々ずっと終わらないわけ(笑)。ああいうピュアな人だから、スイッチが入っちゃったんでしょうね。テイクを重ねるたびどんどんエキサイトして「えーと、私いつ歌うんでしたっけ?」みたいな感じになっちゃって。

── はははは。映像が目に浮かびます。

山下久美子 察した(伊藤)銀次さんが「佐野くん、そろそろ替わろっか」と促してくれました。そうしたら佐野くん、「え、どうして?」みたいな顔でキョトンとしていた(笑)。あの無邪気な表情は忘れられません。このエピソード、今もたまにMCで使わせてもらっています。

── 45年間ずっと「So Young」を歌ってこられました。山下さんにとって大切なレパートリーですね。

山下久美子 はい。オリジナルに近いアレンジ、20周年のときに佐野くんも一緒に考えてくれた別アレンジ、あとは思い切りパンクなアレンジもありまして。そっちはライヴ最終盤、シド・ヴィシャスの「マイ・ウェイ」ばりの絶叫スタイルで歌うのが定番なんですけどね。この3パターンから使い分けています。

── 山下さんと佐野さんはほぼ同時期から新宿のライヴハウス「ルイード」に出演。10代〜20代前半のリスナーに、口コミで人気を広げていきました。レコードセールスより先に、東京のライヴシーンで話題になった点も共通していて興味深いなと。




●山下久美子 (やました・くみこ)
1980年にシングル「バスルームから愛をこめて」でデビュー。「赤道小町ドキッ」が大ヒット。その後もハスキーでキュートなヴォーカルとロック色の濃いポップスで、日本コロムビア、東芝EMI、テイチクエンタテインメントなどから、「こっちをお向きよソフィア」「瞳いっぱいの涙」「いっぱいキスしよう」をはじめとする数々のスマッシュ・ヒットを重ねる。元祖学園祭の女王、「総立ちの久美子」としてライヴ・パフォーマンスの凄さも有名で、2025年現在、単独ライヴ・ライヴイヴェント・配信ライヴと勢力的に活動を続けている。待望の新曲を含むCD+DVDの2枚組、45周年記念ベスト・アルバムが2026年4月15日(水)発売決定!

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