2026年1月号|特集 ガールズ・ロック

【Part3】ガールズ・ロック・ヒストリー

会員限定

解説

2026.1.19

文/小川真一


【Part2】からの続き)

Part3:ガールズ・ロックの多彩な水脈


 やはり’85年は、ガールズ・ロックにとってエポックな年となった。本格的なロック・バンドとしてSHOW-YAがデビューを飾り、ニューウェイヴのフィールドからはZELDAが飛び出していった。ともに女性のみで構成されたバンドであり、ガールズ・ロックの攻勢を象徴する存在として、このふたつのバンドが果たした役割はとても大きい。

 また、女性ヴォーカリストのNOKKOを擁するREBECCAも、シングル「ラブ イズ Cash」のヒットによる実質的なブレイクは’85年と捉えてよいだろう。さらに翌’86年には、赤坂小町から改名したPRINCESS PRINCESSが華々しく登場し、ガールズ・ロックは一気に可視的な存在へと押し上げられていく。

 この時期のガールズ・ロックは、単に女性を中心としたバンドが増えたという現象ではない。ニューミュージックでなければ、もちろん歌謡曲でもない、ロックとしての確かな強度を保持していたことこそが重要だ。演奏テクニックやステージングといった点においても、彼女たちは女性であることを免罪符にすることなく、ロックの文脈そのものと正面から向き合っていた。この身体性こそが、ガールズ・ロックであったのだ。



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