2026年1月号|特集 ガールズ・ロック

⑨ZELDA『空色帽子の日』|ガールズ・ロック’80s名盤

会員限定

レビュー

2026.1.16


ZELDA
『空色帽子の日』』

1985年10月21日発売

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01. DEAR NATURAL
02. 自転車輪の見た夢
03. FOOLISH GO-ER
04. FLOWER YEARS OLD
05. WATER LOVER
06. 湖のステップ/STEP ON THE LAKE
07. 小人の月光浴
08. 時折の色彩
09. 無人号地・357
10. ハベラス



“空色帽子の日”という言葉にある好奇心に満ちた3rdアルバム


 1979年、小嶋さちほ(B)を中心に結成された4人組ポスト・ロック/ニュー・ウェイヴ・バンドによる3作目。彼女たちは、ガールズ・ロック・バンドの先駆けには違いないが、女性であることを足かせにも武器にもしないスタンスを貫いていたと思う。本作制作時のメンバーは、小嶋と、高橋サヨコ(Vo)、石原フキ(G)、小澤アコ(Ds)の4人。デビュー作のプロデュースを手掛けたモモヨ(LIZARD)に代わってセカンド作を手掛けた白井良明(ムーンライダーズ)が、本作でも連投している。デビュー当時のパンク臭やアングラ臭は徐々に薄れ、ここに至りサウンドはより洗練され端正になり、リズムやメロディ、そして歌の輪郭が際立つポップ性の高いバリエーション豊かなロックを聴かせている。メジャー感が出たと言ってもいいが、重要なのはゼルダらしさを失ってはいないこと。ファンタジーと現実、陰と陽を行き来する足取りは軽く、瞳は好奇心に満ちている。そして、“空色帽子の日”という言葉にある曖昧さと心地よさは、そのまま彼女たちの音楽にも通じていると感じられる。

文/赤尾美香



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