連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「白井貴子 / Do For Loving」

2026.1.16

今月のお題

白井貴子/ Do For Loving1981年


“学園祭の女王”や“ロックの女王”と称され、80年代に入ってから一気に盛り上がったガールズ・ロックを牽引する存在だった白井貴子。「Chance!」や「Raspberry Gun」といった疾走感のあるポップ・ロックのイメージが強いが、デビュー・アルバムである本作はシティポップ的な要素も強い作品。とくに冒頭のミディアム・グルーヴ・サウンドが心地良い「ピローケースにさようなら」や、洗練されたポップ・チューンの「風の中」などは、彼女のソングライティング能力の高さを実感させられるナンバーだ。椎名和夫、後藤次利、佐藤準らによる上質なバッキングとアレンジにも注目すべき一枚。

日が伸びてまた縮むほど時が経つ 君との距離は変わらないけど日が伸びてまた縮むほど時が経つ 君との距離は変わらないけど




伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。