2025年12月号|特集 佐野元春 CHRISTMAS TIME IN BLUE

【Part4】佐野元春スペシャル・ロング・インタビュー|萩原健太のotonanoラジオ再録スペシャル❷

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インタビュー

2025.12.26

インタビュー・文/萩原健太(FMヨコハマ『萩原健太のotonanoラジオ』2025年11月17日放送内容を再編集)


【Part3】からの続き)

『HAYABUSA JET』シリーズでサウンド的に意識したのはパワー・ポップです(佐野)


── さあ、今週のゲストをお迎えしましょう。先週に引き続きまして佐野元春さんです。こんばんは。

佐野元春 こんばんは。よろしくお願いします。

── 先週もお伝えしましたが、佐野さんは現在45周年アニバーサリー・イヤー。しかも一緒にツアーを回っているザ・コヨーテバンドも今年で結成20周年。長くなりましたね、コヨーテバンドも。

佐野元春 そうですね。20年やると思ってなかったんですけれども。小さなライヴハウスから経験を積んで、大きな会場を回れるようになるまでだいたい6年間ぐらいかかったんですけど。それ以降はスタジオ・レコーディングも順調ですし、よくここまで、たくさん良いレコードを出してこれたなと思っています。

── 今回ツアーでも一丸となっている感触が強くて。

佐野元春 バンドですからね、はい。

── 『HAYABUSA JET』シリーズで過去のレパートリーをコヨーテバンドと再演したこともあり、以前の楽曲と近年の楽曲との親和性もぐっと高まって。

佐野元春 ありがとう。コヨーテバンドのメンバーのバックグラウンドを見てみると、やっぱり90年代以降のオルタナティヴなロックですよね。そういう意味でも、今回の『HAYABUSA JET』シリーズっていうのは、ぼくの80年代、90年代のロック音楽を、彼ら以降の世代の音楽性で改めてまとめてみたという印象もありますね。

── そんな『HAYABUSA JET』シリーズの最新作、『HAYABUSA JET Ⅱ』から今週もまず1曲聞いてみましょう。先週お届けした「吠える」のような、原曲「ハッピーマン」のオリジナル・ヴァージョンからものすごく大きく変容した曲もありますが、わりとアレンジはかつてのまま、今の時代ならではの音像に置き換えたような曲もありますよね。そのうちのひとつが「レイン・ガール」。アレンジ自体、それほど大きく変わっていないのに、音像がものすごくぶっとくなっていて。これはエンジニアの渡辺省二郎さんの功績ですか?

佐野元春 はい。それとマスタリング・エンジニアのマット・コルトン。ふたりの技術者によるところが大きいですね。低音の解像度がもう段違いです。『HAYABUSA JET Ⅱ』からこの曲を聴いてください。「レイン・ガール」。


♪「レイン・ガール」(New Recording)from 『HAYABUSA JET Ⅱ』


── 今回、レコーディング自体はすんなり進んだんですか?

佐野元春 そうなんです。『HAYABUSA JET Ⅰ』のレコーディングと地続きでしたから。もう、どんどんどんどん、いろんな曲やっちゃうけれども。でも、どっかで打ち止めにしなきゃねっていう、そういう状態(笑)。

── じゃ、実はレコーディングしたけれど今回アルバムには収録されなかった、みたいな曲もまだあるんじゃないですか?



佐野元春 (さの・もとはる)
1956年、東京生まれ。’80年、レコーディング・アーティストとして始動。’83~’84年のニューヨーク生活を経た後、DJ、雑誌編集など多岐にわたる表現活動を展開、’92年、アルバム『SWEET 16』で日本レコード大賞アルバム部門を受賞。2004 年に独立レーベルDaisyMusicを始動し現在に至る。代表作品に『SOMEDAY』(’82)、『VISITORS』(’84)、『SWEET 16』(’92)、『FRUITS』(’96)、『THE SUN』(’04)、『ZOOEY』(’13) 、『BLOOD MOON』(’15)、『今、何処』(’22)がある。2022 年、第72 回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

▲佐野元春 with THE HEARTLAND
40周年記念盤「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」


▲ウェブマガジンotonano Annex
佐野元春デビュー45周年スペシャル・エディション
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