2025年12月号|特集 佐野元春 CHRISTMAS TIME IN BLUE

【Part3】佐野元春スペシャル・ロング・インタビュー|萩原健太のotonanoラジオ再録スペシャル❶

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インタビュー

2025.12.26

インタビュー・文/萩原健太(FMヨコハマ『萩原健太のotonanoラジオ』2025年11月10日放送内容を再編集)


【Part2】からの続き)

『HAYABUSA JET』シリーズのイメージはビートルズでいえば赤盤、青盤ですね(佐野)


── さあ、それでは今週のゲストをお迎えしましょう。佐野元春さんです。こんばんは。

佐野元春 こんばんは。

── 現在、デビュー45周年イヤーを駆け抜けていらっしゃいますが。ザ・コヨーテバンドも結成20年。こちらもアニバーサリー・イヤーで。

佐野元春 そうですね。45周年、それからバンド結成20周年。それを記念したコンサート・ツアーをいつもより多くの街で演奏しています。どこの会場も本当にファンの方たち、待っていてくれているようで、素晴らしいコンサートが続いています。うれしいですね。

── 新しい層の観客も増えた感じが……。

佐野元春 します。新しい世代も入ってきてますし、それから、しばらくぼくの音楽を聞いてなかったという世代の方たちも来てくれてます。

── そんな中で今年の3月に『HAYABUSA JET Ⅰ』、12月に『HAYABUSA JET Ⅱ』がリリースされて。これは佐野さんのある種のペルソナ的な存在であるハヤブサ・ジェットが、佐野さんの過去のレパートリーをリイマジンする試みで……。

佐野元春 ぼくは“再定義”と言ってます。はい。

── かつて、ザ・ハートランドやザ・ホーボー・キング・バンドとともに演奏していた曲を、今、コヨーテバンドとともに再定義するシリーズで。そこには、そういう新世代の観客への眼差しが色濃く反映されていますよね。

佐野元春 そうですね。

── ライヴを見るとその意味がさらによくわかります。昔の曲と今の曲がひとつに溶け合ってうねっているという。

佐野元春 そうですね。まあ、コヨーテバンドもかつては先輩バンドであるハートランドやホーボー・キング・バンドの曲をやっていますって感じだったんですけれども、こうして再定義することによって、ぼくのクラシック曲も、まさにコヨーテバンドの、自分たちの曲になってきているんですね。ですので、ステージでのパフォーマンス、表現の仕方もやっぱり堂々と、自信を持ったものになって。俺たちの佐野元春クラシックだっていう、そういう感じは出てきてると思います。

── じゃ、12月発売の『HAYABUSA JET Ⅱ』から1曲聞かせてください。

佐野元春 聞いてください。『HAYABUSA JET Ⅱ』から、曲は「君を想えば」。


♪「君を想えば」(New Recording)from 『HAYABUSA JET Ⅱ』


── 「君を想えば」を聞いていただきました。オリジナルは1999年の暮れにシングルで出た「イノセント」ですね。これが1曲目に入っていたのがけっこう意外でした。

佐野元春 そうですか。まあ、「イノセント」はどのオリジナル・スタジオ・アルバムにも入っていないんですよ。2000年に出した『The 20th Anniversary Edition 1980-1999 his words and music』ってベスト盤の中にひっそりと入れた曲で。ただ、やっぱりファンへの感謝を示すにはこの曲がいちばんいいだろうと思って。

── いきなり“ありがとう”って歌っていらっしゃいますからね。



佐野元春 (さの・もとはる)
1956年、東京生まれ。’80年、レコーディング・アーティストとして始動。’83~’84年のニューヨーク生活を経た後、DJ、雑誌編集など多岐にわたる表現活動を展開、’92年、アルバム『SWEET 16』で日本レコード大賞アルバム部門を受賞。2004 年に独立レーベルDaisyMusicを始動し現在に至る。代表作品に『SOMEDAY』(’82)、『VISITORS』(’84)、『SWEET 16』(’92)、『FRUITS』(’96)、『THE SUN』(’04)、『ZOOEY』(’13) 、『BLOOD MOON』(’15)、『今、何処』(’22)がある。2022 年、第72 回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

▲佐野元春 with THE HEARTLAND
40周年記念盤「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」


▲ウェブマガジンotonano Annex
佐野元春デビュー45周年スペシャル・エディション
「Motoharu Sano 45」