2025年12月号|特集 佐野元春 CHRISTMAS TIME IN BLUE
【Part5】「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」発表、その余波|CHRISTMAS TIME IN BLUEストーリー
解説
2025.12.22
文/小川真一

(【Part4】からの続き)
時代の感覚を更新した真新しい定番「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」
「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」は、’85年11月21日に12インチ・シングルとしてリリースされた。発表直後のシングル・チャートに目を向けると、初登場8位という数字が目に飛び込んでくる。その順位が示すとおり、楽曲は大きな支持をもって迎え入れられた。“みんなと分かち合えるクリスマス・ソング”として、この曲はまるで贈り物のように、リスナーのもとへ届けられたのだ。
そのプレゼントは一度きりでは終わらなかった。’91年には3曲入りのマキシ・シングルとしてCD化され、帯には「永遠のクリスマス・ソング」というコピーが添えられていたのを覚えている人も多いだろう。このCDはさらに’92年から’98年にかけて毎年再リリースされている。まさにエヴァーグリーンという言葉がふさわしい、息の長いベストセラーであった。

’85年のオリジナル・アナログ・リリースを経て90年代にはほぼ毎冬CDシングル・リリースされた
「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」
あらためて「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」の初発盤が、12インチ・シングルだったという事実に目を向けてみたい。配信が主流となった現在では、アナログ・レコードにあまり馴染みのない世代も多いだろうから、少し補足しておこう。12インチ・シングルは、サイズこそLPレコードと同じ30センチだが、LPが33と3分の1回転で再生されるのに対し、こちらは基本的に45回転で刻まれる。回転数が速い分、音溝に余裕が生まれ、結果として音質面でも有利とされている。
さらに、17センチのシングル盤に比べて、より長い演奏時間を確保できるのも12インチ・シングルの大きな特徴だ。そのため、通常よりも尺を拡張したリミックス、いわゆるエキスパンデッド・エディション(拡張版)が収録されるケースも少なくない。
12インチ・シングルが広く出回り始めたのは、80年代の前半から中盤にかけてのことだった。高音質でのプレイが可能な点は、クラブやディスコの現場で重宝され、瞬く間にもてはやされるようになる。さらに、LPレコードと同じ大きな盤面は視認性や扱いやすさの面でも優れていて、DJがパフォーマンスを行う際にも有利だった。こうした理由から、ヒップホップを中心としたシーンにおいて、12インチ・シングルそのものがひとつの文化として根づいていったのである。

▲佐野元春 with THE HEARTLAND
40周年記念盤「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」

▲ウェブマガジンotonano Annex
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