2025年12月号|特集 佐野元春 CHRISTMAS TIME IN BLUE
【Part2】「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」が生まれた時代|CHRISTMAS TIME IN BLUEストーリー
解説
2025.12.9
文/小川真一

(【Part1】からの続き)
80年代のまばゆいイルミネーションに彩られた街並みに潜む、ブルーな感傷――
佐野元春の「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」が発表された’85年とは、いったいどんな時代だったのだろうか。80年代半ばの日本では、さまざまな潮流が渦巻き、音楽シーンも社会も大きく揺れていた。そんな時代の只中でクリスマス・ソングを発表することには、並々ならぬ意味があったはずだ。振り返ってみれば、この時期、若者たちの間でクリスマスという概念が少しずつ変化し始めていたことがわかる。
最大の契機は、’84年に起こったバンド・エイドだろう。バンド・エイドとは、ブームタウン・ラッツのボブ・ゲルドフとウルトラヴォックスのミッジ・ユーロが発起人となり、エチオピアの飢餓救済を目的に立ち上げたチャリティー・プロジェクトだ。
彼らが制作したチャリティー・ソング「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?」には、U2のボノ、ポリスのスティング、フィル・コリンズ、カルチャー・クラブのボーイ・ジョージ、デュラン・デュランのメンバー、ポール・ヤング、スタイル・カウンシルのポール・ウェラーなど、英国・アイルランドの大物ミュージシャンが次々と参加した。
Band Aid 「Do They Know It's Christmas?」(Official Video)1984
この曲は世界的な大ヒットとなり、’89年までに1170万枚を売り上げたとされる。ボブ・ゲルドフらの想定をはるかに超え、1年足らずで800万ポンドもの募金が集まった。ムーヴメントは世界中に波及し、アメリカではUSAフォー・アフリカが結集され、マイケル・ジャクソン、ボブ・ディラン、スティーヴィー・ワンダー、シンディ・ローパー、ダリル・ホール&ジョン・オーツ、ブルース・スプリングスティーン、レイ・チャールズらが参加した「ウィ・アー・ザ・ワールド」をリリースした。

▲佐野元春 with THE HEARTLAND
40周年記念盤「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」

▲ウェブマガジンotonano Annex
佐野元春デビュー45周年スペシャル・エディション
「Motoharu Sano 45」