2025年12月号|特集 佐野元春 CHRISTMAS TIME IN BLUE
【Part2】佐野元春スペシャル・ロング・インタビュー|CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー❷
インタビュー
2025.12.12
インタビュー・文/萩原健太

(【Part1】からの続き)
♪Ring a ring a roses! Tonight’s gonna be alright……あのシーンこそ、ぼくがいちばんのハイライトとして用意した部分なんです(佐野)
── 今回、再発された「CHRISTMAS TIME IN BLUE」のCDエディションのほうには、2013年、配信でリリースされたコヨーテ・バンドとの「みんなの願いかなう日まで」が追加収録されていますね。
佐野元春 ザ・ハートランドと共にレコーディングしたクリスマス・ソング──それが「CHRISTMAS TIME IN BLUE」。その流れで、「じゃあ、ザ・コヨーテバンドにもクリスマスの持ち歌があっていいんじゃないか」と思って書いた曲です。コヨーテバンドは、毎年クリスマスに東京・恵比寿でライヴを行っている。そのステージで、みんなとシング・アロングできる──そんな曲を作りたいと、自然に思いました。
── 「CHRISTMAS TIME IN BLUE」から30年近い歳月を経て書かれたクリスマス・ソング。テーマ的に何か変わったことは?
佐野元春 いや、やっぱりここでも、根底に流れているのはヒューマニズムなんです。「みんなの願いかなう日まで」で言えば──今ここにはいない人たちも含めての “メリー・クリスマス”。その視点ですよね。そこがいちばん大事だと思っています。その想いを、あえてポップな曲に乗せて届けられたこと。それがとてもよかったな、と今は感じています。
── リスナーがみんなそれぞれ、それぞれの心の中でここにいない大切な人のことを思う。巧みな表現だなと感じます。
佐野元春 若かったころの自分には、ここにいない誰かのクリスマスまで祝おうなんていう想像力は働かなかったと思う。やっぱりクリスマスといえば、その場にいる連中と一緒に “ウェヘヘイ!”って盛り上がる──若い頃はそんな感じですよね(笑)。でも、「みんなの願いかなう日まで」を書いたのは、もっと年齢を重ねてから。テーマを、より広く、深く捉えられるようになっていた。そういう自分で書けたことを、今はよかったなと思っています。

佐野元春 with THE HEARTLAND
「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」
2025年11月5日発売
Blu-spec CD2|MHCL 31102
── 「CHRISTMAS TIME IN BLUE」も「みんなの願いかなう日まで」も、まずは主人公のパーソナルな思いから始まって、徐々に視野が広がっていく。
佐野元春 (さの・もとはる)
1956年、東京生まれ。’80年、レコーディング・アーティストとして始動。’83~’84年のニューヨーク生活を経た後、DJ、雑誌編集など多岐にわたる表現活動を展開、’92年、アルバム『SWEET 16』で日本レコード大賞アルバム部門を受賞。2004 年に独立レーベルDaisyMusicを始動し現在に至る。代表作品に『SOMEDAY』(’82)、『VISITORS』(’84)、『SWEET 16』(’92)、『FRUITS』(’96)、『THE SUN』(’04)、『ZOOEY』(’13) 、『BLOOD MOON』(’15)、『今、何処』(’22)がある。2022 年、第72 回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。

▲佐野元春 with THE HEARTLAND
40周年記念盤「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」

▲ウェブマガジンotonano Annex
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