2025年12月号|特集 佐野元春 CHRISTMAS TIME IN BLUE

①Frank Sinatra『A Jolly Christmas From Frank Sinatra』|クリスマス・アルバム名盤20

レビュー

2025.12.1


Frank Sinatra
『A Jolly Christmas From Frank Sinatra』

1957年発売

試聴はこちら▶

1. Jingle Bells
2. The Christmas Song
3. Mistletoe And Holly
4. I’ll Be Home For Christmas
5. The Christmas Waltz
6. Have Yourself A Merry Little Christmas
7. The First Noel
8. Hark! The Herald Angels Sing
9. O Little Town Of Bethlehem
10. Adeste Fideles
11. It Came Upon The Midnight Clear
12. Silent Night

味わい深いクルーナー唱法による最高級のエンターテインメント


 史上最高のエンターテイナー、フランク・シナトラが’57年にリリースした自身初のクリスマス・アルバム。1940年代にアイドル的人気を誇ったシナトラは、40年代後半になると一時低迷するも、50年代後半からはオーケストラをバックにスタンダードを歌い、人気が再燃していた。この時期を最盛期と見る向きも多く、円熟味を増したその歌唱はシナトラの代名詞ともいうべきものとなった。

 そんなシナトラが41歳の時に録音した本作。ゴードン・ジェンキンス指揮のオーケストラとラルフ・ブリュースター・シンガーズによるコーラスとを従え、前半は世俗的なクリスマス・ソングを歌い、後半は宗教的なクリスマス・キャロルを歌っている。それにしてもシナトラが歌う「Jingle Bells」や「Silent Night」、そして「White Christmas」(’87年のCD化に際して追加されたボーナストラック)の強度ときたら! キャリア的にはまだ前半にあたる時期だが、貫禄たっぷりに“横綱相撲”を取っている感。その味わい深いクルーナー唱法にはますます磨きがかかり、ゴージャスなオーケストラや荘厳なコーラスと溶け合うことで、最高級のエンターテインメントが結実している。いかなる嗜好のリスナーをも魅了する、説得力を宿すクリスマス名盤。

文/石川真男



▲佐野元春 with THE HEARTLAND
40周年記念盤「CHRISTMAS TIME IN BLUE ー聖なる夜に口笛吹いてー」


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