連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「山口美央子 / 月姫」

2025.11.17

今月のお題

山口美央子/ 月姫1983年


シティポップというよりも、シンセポップといった方がしっくりくるかもしれない。1980年にデビューした山口美央子は、YMOチルドレンともいうべき存在のシンガー・ソングライターである。本作は、彼女の最高傑作と言われることも多いサード・アルバム。“和”や“オリエンタル”をイメージしたナンバーが印象的で、ポップでメロディアスな作風との融合が絶妙だ。ほぼ全曲のアレンジを一風堂の土屋昌巳が手掛け、松武秀樹がシンセサイザー・プログラミングを担当。ラストの「恋は春感」のみ後藤次利がアレンジャーとして参加しており、化粧品のCMソングに使用されて話題になった。

四季のよう心は移ろってゆくもの 桜もやがて雪になりゆく四季のよう心は移ろってゆくもの 桜もやがて雪になりゆく



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。