2025年10月号|特集 作曲家で聴く松田聖子
「瞳はダイアモンド」「蒼いフォトグラフ」|全曲解説!呉田軽穂(松任谷由実) 松田聖子『Seiko Diamond -Karuho Kureda Works-』
解説
2025.10.29
文/岡村詩野
●ボーナストラック:オリジナル・カラオケ(初出音源)収録 ●ライナーノーツ(松任谷由実インタビューコメント掲載) ●松田聖子×呉田軽穂(松任谷由実) 作品リスト ●2025リマスタリング ●SACDハイブリッド
[収録曲]
①赤いスイートピー ②制服 ③渚のバルコニー ④レモネードの夏 ⑤小麦色のマーメイド ⑥マドラス・チェックの恋人 ⑦秘密の花園 ⑧瞳はダイアモンド ⑨蒼いフォトグラフ ⑩Rock’n Rouge ⑪ボン・ボヤージュ ⑫時間の国のアリス ⑬恋人がサンタクロース ⑭火紅色的香豌豆/赤いスイートピー [Bonus track]⑮レモネードの夏(オリジナル・カラオケ) ⑯恋人がサンタクロース(オリジナル・カラオケ)※初出音源

⑧瞳はダイアモンド
作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂/編曲:松任谷正隆
1983年10月28日発売シングル
呉田軽穂(ユーミン)が大人の女性を“音”で描いた失恋曲
細野晴臣による曲(「天国のキッス」「ガラスの林檎」)を間に挟んでここで再び呉田軽穂(松任谷由実)が松田聖子にシングル曲を提供。当時、高校生だった筆者はこの曲を聴いて、少しおとなしい曲だと感じていた。バラード自体はそれまでの聖子にも多くあったし、むしろ20歳を過ぎてからの彼女の見え方が明らかに大人の女性像を打ち出したものだったことを思えば自然なことではあったが、それでもこの曲が一定の寂寞を伝えたものであることは、聖子のキャリアの中でも大きな節目になりうるものだったのだろう。それはもちろん、この曲が恋の終わり、それも失恋の歌だからである。

呉田軽穂 (くれだ・かるほ)/松任谷由実(まつとうや・ゆみ)
1954年1月19日 東京都出身。
1972年荒井由実としてデビュー。翌’73年にファースト・アルバム『ひこうき雲』をリリース。それまでのフォークソングとは一線を画するファッション性の高いメロディと独自の写実的な歌詞で、女性シンガー・ソングライターの草分け的な存在に。そのスタイルはやがて「ニュー・ミュージック」というジャンルを確立。
デビュー以来、様々な演出を駆使した大規模コンサートが常に注目される一方で、<SURF&SNOW in NAEBA>を’81年より毎年開催し、今も継続している。
デビュー50周年を迎えた2022年、週間アルバムランキング1位を獲得。これにより、1970年代から、80、90、2000、10、20年代まで、6年代連続での1位を史上初めて記録し、「日本のアルバムチャートで1位を連続で獲得した最多デケイド(10年間)数」として、2023年ギネス世界記録に認定された。2013年 紫綬褒章、岩谷時子賞、2018年 菊池寛賞を受賞。
松田聖子への提供曲としては呉田軽穂名義で、シングル曲「赤いスイートピー」(’82年)「渚のバルコニー」(’82年)「小麦色のマーメイド」(’82年)「秘密の花園」(’83年)「瞳はダイアモンド」(’83年)など多くのヒット曲を提供。またB面曲にも拘わらず、多くのファンから支持を得ている「制服」「蒼いフォトグラフ」など人気曲の作曲も手掛けた。

