2025年10月号|特集 作曲家で聴く松田聖子
「ピンクのモーツァルト」「硝子のプリズム」|全曲解説!細野晴臣作品集 松田聖子『Seiko harmony -Haruomi Hosono Works-』
解説
2025.10.23
文/油納将志
●ボーナストラック:オリジナル・カラオケ(初出音源)収録 ●ライナーノーツ(細野晴臣インタビューコメント掲載) ●松田聖子×細野晴臣 作品リスト ●2025リマスタリング ●SACDハイブリッド
[収録曲]
①黄色いカーディガン ②ブルージュの鐘 ③天国のキッス ④わがままな片想い ⑤ガラスの林檎 ⑥ピンクのモーツァルト ⑦硝子のプリズム ⑧プルメリアの花 ⑨天国のキッス(extra version) ⑩ピンクのモーツァルト(アルバム『Windy Shadow』) [Bonus track]⑪黄色いカーディガン(オリジナル・カラオケ)※初出音源 ⑫ブルージュの鐘(オリジナル・カラオケ)※初出音源

⑥ピンクのモーツァルト
作詞:松本隆/作曲:細野晴臣/編曲:細野晴臣/松任谷正隆
1984年8月1日発売シングル
リズム処理の独創性に富んだ80s東京の音像
細野晴臣が松田聖子のシングル18枚目として手がけた曲で、甘く軽やかなポップ・バラードの外観の奥に、驚くほど野性的なリズムの骨格を秘めている。タイトルの“ピンクのモーツァルト"という言葉は、松本隆による歌詞の中で反復されるが、具体的な意味は示されず、謎めいた余韻を残す構造だ。サイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」のような、スケール感のある長く歌い継がれる曲を求められ、軽快なポップではなく、深い呼吸を要する作品像に舵を切った。
Photo by hama okamoto(OKAMOTO’S)
細野晴臣 (ほその・はるおみ)
1947年7月9日 東京都出身。
1969年【エイプリル・フール】のベーシストとしてデビューし、’70年【はっぴいえんど】を結成。’73年ソロ活動を開始、同時に【ティン・パン・アレー】としても活動。’78年に【イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)】を結成。テクノ・ポップブームを巻き起こし、米国はじめ各国で人気を博す。また、歌謡界での楽曲提供を手掛け、プロデューサー、レーベル主宰者としても活動。YMO散開後は、ワールドミュージック、アンビエント、エレクトロニカを探求。作曲・プロデュース・映画音楽など多岐にわたり活動する音楽家。2024年に音楽活動55周年を迎えた。
松田聖子への提供作は、シングル曲「天国のキッス」(’83年)「ガラスの林檎」(’83年)「ピンクのモーツァルト」(’84年)の他、映画『プルメリアの伝説 天国のキッス』の主題歌「プルメリアの花」(’83年)の作曲・編曲の他、「黄色いカーディガン」「ブルージュの鐘」などアルバム(『Candy』収録)の人気曲の作曲も手掛け、松田聖子のヴォーカリストとしての新たな魅力を引き出した。

