2025年10月号|特集 作曲家で聴く松田聖子

「野の花にそよ風」「流星ナイト」「December Morning」|全曲解説!財津和夫作品集 松田聖子『Seiko Invitation -Kazuo Zaitsu Works-』

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解説

2025.10.16

文/小川真一

●ボーナストラック:オリジナル・カラオケ(初出音源)収録 ●ライナーノーツ(財津和夫インタビューコメント掲載) ●松田聖子×財津和夫 作品リスト ●2025リマスタリング ●SACDハイブリッド

[収録曲]
〈DISC 1〉
①チェリーブラッサム ②夏の扉 ③花一色ひといろ ~野菊のささやき~ ④白い貝のブローチ⑤Sailing ⑥あ・な・たの手紙 ⑦野の花にそよ風 サブテーマ「雲」 ⑧流星ナイト ⑨December Morning ⑩LOVE SONG ⑪小さなラブソング ⑫夏天的門外/夏の扉(台湾限定アルバム『I'll fall in love 愛的禮物』2005年) [Bonus track]⑬小さなラブソング(オリジナル・カラオケ)※初出音源

〈DISC 2〉
①白いパラソル ②水色の朝 ③野ばらのエチュード ④愛されたいの ⑤星空のドライブ ⑥未来の花嫁 ⑦HAPPY SUNDAY ⑧レンガの小径 ⑨Bye-bye Playboy ⑩Blue Christmas ⑪スピード・ボート ⑫野ばらのエチュード(LPテイク)[Bonus track]⑬水色の朝(オリジナル・カラオケ)※初出音源



〈DISC 1〉
⑦野の花にそよ風 サブテーマ「雲」

作詞:松本隆/作曲:財津和夫/編曲:大村雅朗
1981年8月8日発売アルバム『野菊の墓』オリジナル・サウンドトラック収録


何者にも代えがたいほどの切なさが宿うAメロ


 ’81年8月に松田聖子初主演映画『野菊の墓』が公開され、それに合わせてサウンドトラック盤が発売された。ジャケットには、前髪を上げ、民子役に扮した聖子が写し出されていた。アルバムには、菊池俊輔が映画のために作曲した楽曲が収められているが、その中で聖子自身が2曲だけ歌っている。「花一色 ~野菊のささやき~」と、もう1曲は財津和夫が作詞作曲した「野の花にそよ風」だ。

 前半は約1分にわたり、華麗なストリングス・アンサンブルで美しいメロディーが奏でられる。この部分は大村雅朗が作曲した「サブテーマ『雲』」のパートとなる。アコースティック・ギターの繊細な調べが響き、やわらかなリズム感が生まれる。ここから、財津和夫が松田聖子のために書き下ろした「野の花にそよ風」の主旋律が始まっていく。




財津和夫 (ざいつ・かずお)

1948年2月19日 福岡県出身。

1971年にバンド【TULIP(チューリップ)】を結成。’72年「魔法の黄色い靴」でデビュー。3作目の「心の旅」(’73年)が週間シングルランキング第1位を獲得後、「青春の影」(’74年)、「サボテンの花」(’75年)、「虹とスニーカーの頃」(’79年)等のヒット作を発表。アルバム35枚、シングル34枚を発表、1989年に18年間の活動の歴史に幕を下ろす。

【TULIP】の活動と並行して’78年からソロ活動をスタート。自身が作詞・作曲した「切手のないおくりもの」(’78年)は、NHK「みんなのうた」で放送され大きな反響を呼び、多くのアーティストにカヴァーされている。その後「Wake Up」(’79年)はCFソングとなり大ヒット、’93年には「サボテンの花〜ひとつ屋根の下より〜」がドラマの主題歌となりリバイバルヒットした。’97年【TULIP】を期間限定で再結成し、全国ツアーを行なっている。

作曲家として1000曲以上の楽曲提供、アーティスト・プロデュース、ミュージカル音楽制作、さらに俳優などとしても幅広く活躍している。

松田聖子への提供楽曲は、シングル曲「チェリーブラッサム」(’81年)「夏の扉」(’81年)「白いパラソル」(’81年)「野ばらのエチュード」(’82年)や、松田聖子初の映画主演作品『野菊の墓』の主題歌「花一色 ~野菊のささやき~」(’81年)の他、人気のアルバム収録曲など数多くの作品を手掛け、松田聖子のヴォーカリストとしての飛躍の一翼を担った。