2025年10月号|特集 作曲家で聴く松田聖子
【Part3】財津和夫スペシャル・ロングインタビュー
インタビュー
2025.10.15
インタビュー・文/栗本斉 写真/山本佳代子

(【Part2】からの続き)
「野ばらのエチュード」は松本さんから「“トゥルリラ”を入れて欲しい」と言われたことを覚えています(財津)
── 3枚目のオリジナル・アルバム『Silhouette 〜シルエット〜』(’81年)の中には、「チェリーブラッサム」と「夏の扉」以外にも財津さんの提供曲が収められています。松本隆さんが聖子さんに初めて歌詞を提供したという「白い貝のブローチ」、そして財津さんが詞曲両方を手掛けられた「Sailing」と「あ・な・たの手紙」。これらの楽曲のことは覚えていますか。
財津和夫 自分が詞を書いた曲ははっきり覚えています。詞を書くということは、曲のコンセプトがはっきりしているわけだから忘れませんよ。詞も書いて欲しいって言われてめちゃくちゃ嬉しくて頑張りましたね(笑)。
── 詞曲も書くとなると、さらにその曲の世界観を作りやすくなるんでしょうか。
財津和夫 やっぱり聖子ちゃんが歌っている雰囲気がどこかに出てきますよね。曲だけだと誰が歌ってもいいかなという感じなんですが。
── 財津さんはご自身で曲を書く場合も、曲先で書かれるんですか。

財津和夫 (ざいつ・かずお)
1948年2月19日 福岡県出身
1971年にバンド【TULIP(チューリップ)】を結成。’72年「魔法の黄色い靴」でデビュー。3作目の「心の旅」(’73年)が週間シングルランキング第1位を獲得後、「青春の影」(’74年)、「サボテンの花」(’75年)、「虹とスニーカーの頃」(’79年)等のヒット作を発表。アルバム35枚、シングル34枚を発表、’89年に18年間の活動の歴史に幕を下ろす。
【TULIP】の活動と並行して’78年からソロ活動をスタート。自身が作詞・作曲した「切手のないおくりもの」(’78年)は、NHK『みんなのうた』で放送され大きな反響を呼び、多くのアーティストにカバーされている。その後「Wake Up」(’79年)はCFソングとなり大ヒット、’93年には「サボテンの花〜ひとつ屋根の下より〜」がドラマの主題歌となりリバイバルヒットした。’97年【TULIP】を期間限定で再結成し、全国ツアーを行なっている。
作曲家として1000曲以上の楽曲提供、アーティスト・プロデュース、ミュージカル音楽制作、さらに俳優などとしても幅広く活躍している。
松田聖子への提供楽曲は、シングル曲「チェリーブラッサム」(’81年)「夏の扉」(’81年)「白いパラソル」(’81年)「野ばらのエチュード」(’82年)や、松田聖子初の映画主演作品「野菊の墓」の主題歌「花一色 ~野菊のささやき~」(’81年)の他、人気のアルバム収録曲など数多くの作品を手掛け、松田聖子のヴォーカリストとしての飛躍の一翼を担った。
財津和夫オフィシャルサイト▶
http://www.zaitsukazuo.com/

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