連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「松田聖子 / 風立ちぬ」

2025.10.16

今月のお題

松田聖子/ 風立ちぬ1981年


A面を大瀧詠一、B面を鈴木茂がサウンド・プロデュースを担当し、松本隆が全曲の作詞を手掛けた4作目のオリジナル・アルバム。松田聖子にとって、アイドルからシンガーへと変化していく大きなきっかけとなった重要作でもある。とくに先行シングル「風立ちぬ」を含め、大瀧詠一が作編曲を手掛けた5曲はファンの間でも人気が高く、名盤『A LONG VACATION』収録曲と対になっていると大瀧本人が語っていることは有名。大ヒットした「白いパラソル」などの財津和夫作品の他、鈴木茂や杉真理によるポップなナンバーもクオリティが高い。全体的に秋の雰囲気を湛えた大人っぽさも魅力だ。

秋にしか着られぬコートの似合う君 みじかい恋と知っていたから秋にしか着られぬコートの似合う君 みじかい恋と知っていたから



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。