2025年10月号|特集 作曲家で聴く松田聖子

「ガラスの入江」「一千一秒物語」「いちご畑でつかまえて」|全曲解説!大瀧詠一作品集 松田聖子『Seiko feelings -Eiichi Ohtaki Works-』

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解説

2025.10.6

文/柴崎祐二

●ボーナストラック:オリジナル・カラオケ(初出音源)収録 ●ライナーノーツ ●松田聖子×大瀧詠一 作品リスト ●2025リマスタリング ●SACDハイブリッド

[収録曲]
①風立ちぬ ②冬の妖精 ③ガラスの入江 ④一千一秒物語 ⑤いちご畑でつかまえて ⑥四月のラブレター ⑦Rock’n’roll Good-bye ⑧いちご畑でFUN×4 ⑨風立ちぬ(duet version)[Bonus track]⑩冬の妖精(オリジナル・カラオケ)※初出音源 ⑪四月のラブレター(オリジナル・カラオケ)※初出音源



③ガラスの入江
作詞:松本隆/作曲:大瀧詠一/編曲:多羅尾伴内
1981年10月21発売アルバム『風立ちぬ』収録


「雨のウェンズデイ」の対応曲「ガラスの入江」


 『風立ちぬ』A面が大滝自身の『A LONG VACATION』の代表的な収録曲と対応関係にあるのはよく知られた話。その伝でいうと、この「ガラスの入江」は「雨のウェンズデイ」に相当する由。

 「雨のウェンズデイ」では、大滝が愛したブリティッシュ・ビート・バンド=ゾンビーズを思わせる洒脱なハーモニーが聞かれたが、この曲でも時折メジャー・セブンスやオーギュメント・コードが使用されるなど、独特の浮遊感を受け継いだ曲想となっている。しかし、「アイドル歌謡」を意識したためか、「雨のウェンズデイ」ほど洗練・洒脱さが前面化しているわけではなく、実によい塩梅のウェットさに落とし込まれている。



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大瀧詠一 (おおたき・えいいち)

1948年年7月28日-2013年12月30日(65歳永眠) 岩手県出身

高校卒業後に上京し、細野晴臣、松本隆、鈴木茂と日本語ロックの先駆的グループ【はっぴいえんど】を結成、和製ポップス史に大きな影響を与えた。1975年、自身のみならず山下達郎や大貫妙子が所属する【SUGAR BABE】や伊藤銀次など、当時の新しいアーティストを紹介する「ナイアガラ・レコード」誕生。

’81年 ソロ・アルバム『A LONG VACATION』が、『第23回日本レコード大賞 ベスト・アルバム賞』を受賞。また、’84年に発表したアルバム『EACH TIME』で第26回日本レコード大賞 優秀アルバム賞を受賞した。

森進一「冬のリヴィエラ」(’82年)や小林旭「熱き心に」(’85年)、小泉今日子「快盗ルビイ」(’88年)など数多くの楽曲の制作・プロデュースを担当。また、’97年にドラマ主題歌「幸せな結末」がミリオンセラーの大ヒット。2003年発表のシングル「恋するふたり」もドラマ主題歌となった。

松田聖子には、シングル曲「風立ちぬ」(’81年)や同名アルバムに収録の「いちご畑でつかまえて」「冬の妖精」、アルバム『Candy』(’82年)収録「四月のラブレター」などの楽曲を提供。さらに2020年には、大瀧詠一が生前遊び心で制作した、「FUN×4」と「いちご畑でつかまえて」を編集して1つの楽曲にした「いちご畑でFUN×4」を、2023年には「風立ちぬ(duet version)」を発表し話題となった。