連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「渡辺真知子 / Feel Free」

2025.9.16

今月のお題

渡辺真知子/ Feel Free1981年


「迷い道」「かもめが翔んだ日」「ブルー」と立て続けにヒットを飛ばし、歌謡曲とニューミュージックの境界線上を行き来するような活躍ぶりを見せたシンガー・ソングライターの6作目。LA録音を敢行してウェストコースト・サウンドを全面に取り入れ、新境地を切り開いた。ドン・グルーシンをアレンジャーに迎え、カルロス・ヴェガ、ネイザン・イースト、ロベン・フォードといった豪華ミュージシャンが多数参加。ストレートなロックからAOR、フュージョン、ボサノヴァなどを取り入れた多彩なアレンジが華やかで、渡辺真知子の圧倒的なヴォーカル表現力を見事に打ち出した傑作だ。

信号も標識もない道だけど バックミラーの君を気にして信号も標識もない道だけど バックミラーの君を気にして



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。