2025年7月号|特集 女性アイドル1985

⑳小泉今日子「なんてったってアイドル」|1985年アイドルHIT SONGコレクション!

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レビュー

2025.7.29


小泉今日子 
「なんてったってアイドル」

1985年11月21日発売
作詞:秋元康/作曲:筒美京平/編曲:鷺巣詩郎

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’85アイドル勝利宣言! なんてったってKYON2!!



 小泉今日子の「なんてったってアイドル」は、アイドルからのアイドル宣言であった。’85年はアイドルたちにとって、大きな転換期となった。やはりその一番の衝撃は、おニャン子クラブの登場だ。アイドルという存在がよりカジュアルになり、デビュー前からテレビに出ているアイドルが出現したのだ。さらにおニャン子からはメンバーがソロ・デビューし、うしろゆびさされ組といったグループ内ユニットも生まれていった。

 アイドルも黙ってはいない。その最初の狼煙をあげたのが小泉今日子であり、「なんてったってアイドル」だったのだ。あえてアイドル側からアイドルの内情をぶちまける。これは、“私こそがアイドルなのよ”という勝利宣言でもあった。
 
 作詞を担当したのは秋元康。あえておニャン子クラブの関係者に歌詞を依頼するというアイデアが素晴らしい。これは諧謔をはらんだ策略だ。秋元は以前から、小泉の「午後のヒルサイドテラス」(’85年の「まっ赤な女の子」のB面曲)を作詞しており、知らない仲ではなかった。

 サングラスはかけていても誰かに気がついて欲しい、とか、ミュージシャンと付き合ってもレポーターたちを煙に巻くとか、アイドルが考えていそうなことが、ばんばんと出てくる。ずっとアイドルでいたい、年なんてとりたくない。これがアイドルの一番の本音だろうか。なお、“清く楽しく美しく”のフレーズは、そのまま小泉の8枚目のアルバムのタイトルに使われた。

文/小川真一