2025年7月号|特集 女性アイドル1985

Part2|女性アイドル1985ストーリー

会員限定

解説

2025.7.14

文/馬飼野元宏


【Part1】からの続き)

Part2:二番煎じやフォロワー的な売り出し方が通用しなくなった差別化の時代


 1985年に登場してきた女性アイドル歌手は、それまでのデビューの方法論とは異なり、メディアミックス的な手法で売り出していくケースが主流となった。具体的には
・少年誌のグラビア等、雑誌メディアと組んだ売り出し
・CMやテレビドラマ、映画出演と絡めた人気の獲得
などである。この形で最初に成功を収めたのは’83年デビューの菊池桃子で、’85年にはその流れが本格化していき、むしろ歌手一本で勝負していくアイドルは減少傾向にあった。


斉藤由貴
「卒業」

1985年2月21日発売


 そのメディアミックス的な手法で成功を収めた’85年の新人に、斉藤由貴と中山美穂がいる。斉藤由貴は、’84年に第1回東宝シンデレラオーディションのファイナリストとなり、同年の『少年マガジン』第3回ミスマガジンのグランプリに選出。この年の10月に明星食品「青春という名のラーメン」のCMに出演し注目され、翌’85年2月21日「卒業」で歌手デビュー。4月より放送がスタートしたフジテレビ系ドラマ『スケバン刑事』に主演し、爆発的な人気を獲得。同年12月21日に公開された東宝のお正月映画『雪の断章 -情熱-』にも主演する。少年誌のグラビアからCM出演、歌手デビュー、女優業で主演と、新人とは思えぬ多方面での大活躍を見せた。


中山美穂
「「C」」

1985年6月21日発売


 中山美穂も、もともと少女モデルとして活動していたが、’85年1月よりスタートしたTBS系ドラマ『毎度おさわがせします』ののどか役で、まずは女優として多くの人々の目に留まる。ことに、ドラマの内容が思春期男子の性意識を描いた作品だっただけに、当時14歳の中山が中高生男子のハートを射止めるのに時間はかからなかった。この勢いをかって同年6月21日に「「C」」で歌手デビュー。同年末には東映映画『ビー・バップ・ハイスクール』でマドンナの泉今日子役を演じ、この映画も中高生を中心に大ヒット。中山は同年末の日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞する。