2025年7月号|特集 女性アイドル1985

⑨松田聖子「ボーイの季節」 |1985年アイドルHIT SONGコレクション!

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レビュー

2025.7.11


松田聖子
「ボーイの季節」

1985年5月9日発売
作詞・作曲:尾崎亜美/編曲:大村雅朗

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スーパーアイドルSEIKO独身最後の季節を飾る名バラード


 当時の松田聖子の人気はすさまじかった。’80年にリリースした「風は秋色」から、19曲連続でシングルの売上No.1を更新中。この連続ヒットはさらに続いて、最終的には25曲シングル・チャートの1位を獲得という大記録を打ち立てた。ランキング番組の『ザ・ベストテン』では、’83年暮れには2曲同時に聖子の曲がランクインするという快挙まで起こっている。
 
 ’85年の5月に発売された「ボーイの季節」は、前作の「天使のウィンク」に続いて、尾崎亜美の作詞作曲。切ない雰囲気をもったバラードで、松田聖子の歌の上手さが存分に発揮されている。複雑な感情の入り交じる歌詞なのだが、表現力豊かに歌いこなしている。

 この「ボーイの季節」は、カレン・カモーンが「Summer Love」のタイトルで、英語歌詞でカヴァーしている。カレンは、ポール・サイモンやビリー・ジョエルをプロデュースしている名プロデューサー、フィル・ラモーンの奥さん。フィルが松田聖子のニューヨーク録音盤『SOUND OF MY HEART』をプロデュースしたことが縁となり、この企画が実現したという。

文/小川真一