2025年7月号|特集 女性アイドル1985

【Part2】吉田格が語る当時のアイドルシーン

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インタビュー

2025.7.10

インタビュー・文/田中久勝 写真/島田香


【Part1】からの続き)

’85年も三番手が南野さん。でも結果的に一番売れたのは南野さんでした。


── 様々な作家陣が色々な楽曲を書きあげ、南野陽子というアイドルを描いてきましたが、変わらない核として存在したのが、ディレクターである格さんともう一人、ほぼ全ての曲をアレンジした萩田光雄さんでした。一貫したイメージの統一が図られその世界感がブレませんでした。

吉田格 新しい作家陣と作り上げていく中で、萩田さんの存在は絶対的で、本当に安心できる方です。セカンド・シングルの「さよならのめまい」から萩田さんにお願いをしました。僕自身入社当初は洋楽のコンピレーションやベスト盤などを担当する部署にいたので、洋楽をたくさん聴いていました。知っている曲も知らない曲もとにかくたくさん聴いていたので、知識も増えそれが蓄積して養分になっていると思います。萩田さんに例えば「弦はこんな感じでどうですか?」って提案したり、オールディーズも大好きなので「こういうフレーズがあって、このリズムを今風にしたらどうなりますかね」というリクエストをしたりすると、「いいね、面白いね」と言ってくださって、想像を遥かに超えるサウンドとして具現化してくれるんです。突飛なリクエストをしても「そうくる?」というサウンドで驚かせてくれます。萩田さんからも「次はこれで行こうよ」と色々なアイディアをいただいて、そのやり取りが本当に勉強になったし、楽しかったです。

── 以前、萩田さんのインタビューした際、萩田さんは南野さんについて「彼女のデビューからたくさん一緒に音楽を作ってきて、僕にとって一番アイデンティティのあるプロジェクトだといっても過言ではなくて、そういう意味でも彼女は僕の音楽人生の中での宝物の一人です」と語ってくれました。萩田さんが持っているクラシック的な要素と格さんの洋楽の要素が交差した、ゴージャスな生音に打ち込みを融合させたサウンドは新鮮でした。




●吉田格 (よしだ・ただし)
1976年にCBS・ソニーに入社。1978年より邦楽ディレクターとなり、川﨑麻世、SHOGUN、原田知世、To Be Continued、知念里奈など50組を超えるアーティストを担当。南野陽子では8作連続を含むシングル9作をヒットチャート1位に送り込む。1999年には「GOLDFINGER'99」で郷ひろみの再ブレイクに成功する。2002年からはソニー・ミュージックダイレクトにて山口百恵トリビュートアルバムや、五輪真弓、大貫妙子、太田裕美、尾崎亜美、辛島美登里、サーカス、ブレッド&バター等々、アラフォー・アイドル“Blooming Girls”(南野陽子、森口博子、西村知美)のプロジェクトも手掛けている。現在 Spring Tune Inc. を立ち上げ、作家マネージメントや音楽制作、イベント制作を始動。