2025年6月号|特集 ジャパニーズ・フュージョン

【Part4】 ジャパニーズ・フュージョンのリヴァイヴァルと未来|ジャパニーズ・フュージョンSTORY

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解説

2025.6.26

文/金澤寿和


(【Part3】からの続き)

消費される音楽と未来に語り継がれていくべき音楽のせめぎあいの最前線


 ライヴハウスの活況、相次ぐ新レーベル設立、ニューミュージックと飛ばれたポップス勢の影響とミュージシャン交流、ヤング・カルチャーとの関係性、電子楽器の進化、そしてフュージョン自体の多様化……。日本のフュージョン全盛期を後押しした動きでもうひとつ軽視できないのが、メディアの存在である。

 当時の日本には、米国のようにインストゥルメンタルを積極的に流すラジオ局はなかった(今もないが…)。NHK-FM『クロスオーバーイレブン』など、限られた専門番組やライヴ・コンサートを収録したプログラムが深夜帯にあった程度である。その代わりTVやラジオのBGMに使われたり、CM、ジングルに採用されるなど、二次的使用はたくさんあった。とりわけ人気上昇期には、邦人ミュージシャン自身がCM出演するケースが多く、そのパイオニアたる渡辺貞夫を始め、日野皓正がナベサダ同様に男性化粧品、渡辺香津美がオーディオ、ネイティヴ・サンやカシオペアがカセットテープ、ザ・スクェアのイケメン・サックス奏者:伊東たけしが洋酒CMと、それぞれ自分の楽曲をバックにブラウン管に登場した。それこそCMの楽曲使用だけなら、高中正義、松岡直也、MALTA(sax)等など、引きも切らなかった。そして旅行会社や航空会社、清涼飲料や酒造メーカーとのタイアップが増え、フュージョン=リゾート・ミュージックのイメージが拡大し、シティポップと同等の扱いになっていく。


THE SQUARE
「I‘M WALKMAN」

1980年発売


 インストゥルメンタルなので、映画やTVドラマとの親和性は高く、テーマや挿入歌、サウンドトラックに使われるケースが多々。“ルパン三世”で知られる大野雄二は、フュージョン系鍵盤奏者としてより劇伴作編曲家としての方が有名だし、深町純や小林泉美らはTV番組やアニメ主題歌・挿入歌などでも実力発揮。80年代中盤には、松岡直也や本多俊之もこのフィールドに参入した。そのシンボルがF1番組のテーマとなったザ・スクェア「Truth」(’87年)なのは言うまでもない。


T-SQUAREほか
『F-1 GRAND PRIX WORLD』

1992年発売