連載|伊波真人のシティポップ短歌

今月のお題「YELLOW MAGIC ORCHESTRA / 浮気なぼくら」

2025.6.16

今月のお題

YELLOW MAGIC ORCHESTRA / 浮気なぼくら1983年


YMOことイエロー・マジック・オーケストラが1983年にリリースした通算7枚目のオリジナル・アルバム。細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏の3人を写したポートレートのジャケットや、パステルカラーのヴィジュアルイメージ通り、全曲に歌詞を乗せたポップ路線で評価を得た。前作の『テクノデリック』がヘヴィでダークな印象だったこともあり、シングルヒットした「君に、胸キュン。(浮気なヴァカンス)」の歌謡曲テイストでインパクトを与えた。他にも「音楽」や「希望の河」といった人気曲が収められており、昨今ではシティポップの文脈で捉えられることも多く、彼らの活動後期の代表作といえる一枚だ。

ロマンスの語源がローマと知ってから 異国のような恋に憧れロマンスの語源がローマと知ってから 異国のような恋に憧れ



伊波真人(いなみ・まさと)

歌人。1984年、群馬県高崎市生まれ。早稲田大学在学中に短歌の創作をはじめる。2013年、「冬の星図」により角川短歌賞受賞。雑誌、新聞を中心に短歌、エッセイ、コラムなどを寄稿。ポップスの作詞家としても活動中。ラジオ、トークイベントへの出演なども行う。音楽への親しみが深く、特にシティポップ、AORの愛好家として知られる。著書に、歌集『ナイトフライト』などがある。