2025年5月号|特集 角松敏生
❹『MAGIC HOUR ~Lovers at Dusk~』|角松敏生アルバム・レビュー2020s
レビュー
2025.5.21
角松敏生
『MAGIC HOUR ~Lovers at Dusk~』
2024年5月15日発売
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1. Lovers at Dusk
2. Magic Hour
3. Power of Nightfall
4. Turn on your lights ~May your dreams come true~
5. Crows
6. Wake up to the love
7. Paradise in your eyes
8. 君にあげる
高度なスキルと膨大な知識・経験を積み重ねてきた角松ならではのバランス感覚
彼が提唱する“都市生活者による都市生活者のための音楽”=Contemporary Urban Music(C.U.M.)シリーズの第1弾。1970~80年代のフレーバーを纏った楽曲を、熟練のミュージシャンたちと若手の才能を融合させ、最新の技術と手法で練り上げた作品だ。
中でも、そうした手法が最高の形で結実したタイトル曲「Magic Hour」には言葉を尽くして語らずにはいられない。1990年代のヒップホップ隆盛以降、本曲のようなミディアムテンポで強いグルーヴを持つナンバーは70~80年代のR&B/AORが再評価される際の筆頭格であり、近年のネオシティポップ勢もしばしば採用しているフォーマットであるが、そうした同時代の楽曲とは特にビート面で一線を画す完成度を誇っている。注目すべきは随所に散りばめられたリズムのキメだ。ループの心地よさを求める風潮やグリッドありきの楽曲編集、非バンド的な制作体制が広がる中、歌い出し前やサビ終わり等に設けられているテクニカルなアンサンブルは、現代ではほぼ絶滅しかけていると言っても過言ではない。
文/TOMC
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